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#45 #就活しんどかったけど…
夜勤後にSPI対策、新卒以上に情報収集…〝第二新卒〟の就活って?
入社した会社や業種が自分に合っていない――と感じたら? 就職後、数年以内に転職する「第二新卒」というワードも話題になっています。2022年に理系の大学院を卒業し、システムエンジニアとして企業に就職した20代の男性は、1年後にはコンサル会社へと転職し、「今はやりたいことができている」と話します。第二新卒として、2度目の就職活動をした経験を聞きました。
20代の男性は、東日本にある国立大学の工学部に所属していました。大学院に進学し、研究室でシミュレーション研究をしていました。
自分が理系として大学で培ってきたことが生かされると思い、就職先としてシステムエンジニア(SE)やメーカーの開発職に絞って就活を始めました。
結果、第1志望だった企業のSEから内定をもらい、卒業後はSEの道へ進みました。
一方、入社してしばらく経ち、この会社で長く働く姿が想像できなくなっていったといいます。「部署の上司を見ていて、『やりたいと思っていた仕事に自分が携わるまでに10年以上かかってしまう』と感じ始めた」といいます。
男性は学生時代に就活をしていたときから、「クライアントと近い立場でシステムを作りたい」と考えていましたが、配属された部署ではその働き方ができるのはだいぶ先であることがわかりました。
「ちょっと思い描いていたキャリアの重ね方はできないと思った」といいます。また、夜勤がある働き方も体に負担がかかっていたといいます。
自分の理想とする仕事ができる職種は何かと考え、「コンサル会社がいいのでは」と思ったそうです。
そこで、男性は入社して半年経った秋ごろからコンサル会社に絞り、第二新卒として再び就活を始めました。
転職活動で大変だったのは、「やはり仕事との両立だった」と話します。まず、転職サイトへ登録し、転職エージェントからアドバイスを受けたりしました。
SPIといったWEBテストへの対策も大変で、仕事の夜勤が終わった午前0時ごろから、対策問題を解くといった日もありました。「第1志望だったSEとして働けているのに、自分は何をやっているのだろう…」と思った時もあったといいます。
他にも、コンサル企業に内定をもらったことのある友達に協力してもらい、面接対策もしました。
企業の面接はリモートが多かったため、仕事の合間に時間を作って受けていたそうです。結果、2月にはあるコンサル会社から内定がもらえました。
転職活動を通じて男性は「情報収集は大切」だと感じたそうです。知り合いやエージェントを通じて選考情報を集め、サイトで企業研究もしました。
「『第二新卒が新卒よりも有利になることはない』と思って、情報収集には新卒での就活以上に力を入れました」
転職先では新しいプロジェクトを任せてもらい、「やりたいことができている。転職して良かった」と実感しているといいます。
一方で、「辞めてしまっていいのかはよく考えてほしい。転職を考えるのが早すぎたのでは、と思うジレンマもありました」と振り返ります。
「SEとしてそのまま働いていたら、エンジニアとしての技術力がもっと身についたかもしれません。今の職業で経験できることもあると思います」と話しています。
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