お金と仕事
「富士そば」が年末年始に休む理由 年越しそばの需要はあっても…
「近年の働き方改革の影響があるわけではない」
東京を中心に約100店舗を展開する「富士そば」。年越しそばを食べる大晦日はかき入れ時か…と思いきや、「午後3時以降は全店で休業を決めている」といいます。その理由を聞きました。
店舗限定のオリジナルメニューやコラボ商品、ネット上で公開される試作品が、たびたび話題になる「名代 富士そば」(ダイタングループ運営)。最近では、エスカルゴの天ぷらが乗った「エスカルゴ天そば(うどん)が発売されました。
採用ページには「ヒット商品を生み出されたスタッフには会社から表彰として賞金をお渡ししています」とあります。
そばというと年末の「年越しそば」のイメージが根強くありますが、実は富士そばでは、毎年12月31日午後3時ごろから1月4日まで、全店で休業しています。
〝かき入れ時〟とも思える時期に、いつから年末年始の休業日を設けているのか、近年の働き方改革の一環なのかーー。広報担当者に聞くと、はっきりと始まった年はわからないものの、「年末年始の休業は、ずっと続いています」とのこと。
ただ、10年ほど前までは、「一部の店舗で元旦の正午ごろまで営業をしていることがあった」といいます。
東京・浅草の浅草寺が近くにある浅草店や、東京・新宿の花園神社まで65メートルの距離にある三光町店など、「初詣需要が多いエリア」では「年末年始も営業をしてほしい」という要望に応えていたのだそう。
しかし、最近では店舗間の公平を保とうと、全店での休業を決めているといいます。
近年、コロナ禍などを背景に、小売業などで年末年始休業の動きがあります。
2022年には食品スーパーを首都圏で展開するサミットが「社員の“元気”充電のため」として三が日はほぼ全店で休業。今年は、ファッションビルを運営する丸井グループが、従業員の働き方を見直すなどの理由から大半の店舗を三が日は休業しました。
かたや、富士そばは年末年始の休業について「近年の働き方改革の影響があるわけではない」といいます。
「休業の理由は、創業者(丹道夫会長)の『年末・正月くらいは、家族でくつろいだほうが良い』という思いからくるもので、深い理由もトリビア的なものも何一つございません」
社会的な働き方改革の号令がかかる前から、独自にワークライフバランスを保ってきた富士そば。今後もこの方針に変わりはないそうです。
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