グルメ
自販機に「かに鍋」「水炊き」スープ缶なぜ?〝お米入り〟開発に苦労
「おかげさまで売れ行きは好調です」
飲料の自動販売機で販売されているものといえば、お水にコーヒー、炭酸飲料……。ところが最近、見慣れない〝飲み物〟が並ぶことがSNSでもたびたび話題になっています。「寒い時期の小腹満たし」を掲げて商品開発をしているダイドードリンコ(本社・大阪市)に聞きました。
おしゃれで目立つ色使いや、ポップな書体の缶ジュースが目立つ自動販売機ですが、今シーズンのダイドードリンコの自動販売機には、毛筆を思わせる書体で「かに鍋スープ」と大きく書かれた商品が登場しています。
その隣にも、黄金色を思わせる背景に「博多水炊きスープ」と、これまた渋い書体で書かれた商品が並びます。この2商品にはそれぞれ「お米入り」との記載があります。
お米入りの温かいスープ……。缶飲料の自動販売機に並ぶ商品としては、異質な雰囲気をまとう一方、異色なだけにとても魅力的。開発の経緯を聞きました。
ダイドードリンコでは、2021年に初めての「お米入り缶スープ」として「参鶏湯風スープ」を発売しました。
きっかけは、商品開発担当者が外出先でお腹がすいたときに「お米が食べたい」「でも駅や電車では無理」だと感じたことでした。
ただ、お米の具材化が技術的に難しく、その開発には3年がかかったそう。発売後の反響は大きく、次の商品展開に乗り出しました。
そして発売されたのが、今年9月に販売が始まった2商品、「かに鍋スープ 雑炊仕立て」「博多水炊きスープ 雑炊仕立て」です。
広報担当者は、「うまみたっぷりで温まりそうな鍋の〆のイメージ」と話します。
2商品の同時発売の狙いについては「自動販売機で2商品が並んで販売されることで、『お米入り缶スープ飲料』というカテゴリーの商品を、より効果的に訴求するため」とのこと。「『冬の小腹満たしニーズ』を逃したくない」という面もあるそうです。
今シーズンの「米入り缶スープ飲料」2商品は、9月の下旬に発売されました。ダイドードリンコには、気温が下がる日も出てきた10月以降、SNSなどを通じて「自販機で缶入り雑炊スープとか初めて見た」「二度見した」「斬新すぎる」など多くの反響が届くようになってきたといいます。
「お客様からおいしいというコメントも多く、大変うれしく思います。本格的に気温が下がり、おかげさまで売れ行きは好調です」
「寒くて温まりたいとき、ちょっと小腹がすいたとき、またこれからの季節でしたら、忘年会などでお酒を飲んだあとの最後の〆に召し上がっていただくのもよいのではと思います」
1/3枚