連載
#167 ○○の世論
紅白歌合戦、旧ジャニーズ事務所の出演なし 世論はどう感じる?
大みそかのNHK紅白歌合戦の出場者のリストを見ると、最近ではアルファベット表記が多くて、目がチカチカします。それでも「ああ、あの名前はこんなグループなのか」と教えられながら年を越すのも、また一興と思って見続けてきました。それが今年は、旧ジャニーズ事務所のタレントが出場しない見通しに。この異例の事態を世の中は一体どう見ているのか。世論調査で聞いてみました。(朝日新聞記者・磯田和昭)
質問は、紅白歌合戦に旧ジャニーズ事務所のタレントが「出場しない見通しになった」としたうえで、出場しないことは「妥当だと思いますか。妥当ではないと思いますか」と聞きました。
出場なしの見通しになっているのは、事務所創業者の性加害問題をふまえ、NHKが旧ジャニーズタレントの番組への出演を見送っているからです。
ただ、質問では、こうしたNHKの判断については触れていません。
NHKの稲葉延雄会長は11月15日の記者会見で、旧ジャニーズタレントのマネジメントをする新会社の動向などを見極めて出演を再開するかどうか判断する姿勢を示しました。
ただ、判断するには「それなりの時間をかけて確認する必要がある」とも話しています。
調査はこうした中で、11月18、19日に電話で実施しました。回答結果は、「妥当だ」が39%、「妥当ではない」が53%でした。
男女別に見ると、「妥当ではない」という回答は女性が56%と、男性の50%より多い結果になりました。
一方、「妥当だ」と答えたのは、男性で41%で、女性の36%より多い状況です。
年代別に見て、出場なしは「妥当ではない」と答えた割合が多いのは、30代以下と50代です。これらの人たちは60%以上が「妥当ではない」を選びました。
年齢が近い40代と50代で、なぜか傾向がかなり違います。50代では「妥当だ」が31%で、「妥当ではない」という意見が62%とかなり強いのです。
両世代間で若いときに、ジャニーズタレントの人気ぶりなどに何か違いがあったのでしょうか。この点は謎です。
今回の調査直前には、旧ジャニーズ事務所の人気グループなどが多数出演する年末年始恒例のカウントダウンコンサートも今年は開かれない、と発表されました。新会社の動向などに今後も注目が集まりそうです。
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