ネットの話題
筆ペンの技術で化粧品に進出 ぺんてるがアイライナーを発売した理由
開発経緯を取材しました
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開発経緯を取材しました
1976年発売のロングセラー「ぺんてる筆」で知られるぺんてる(東京都)が、化粧品分野へ進出しました。第1弾として選んだリキッドアイライナーの開発経緯を取材しました。
ぺんてるが立ち上げた化粧品ブランド「lulu’s cosmetico(ルルズコスメティコ)」。
筆記具製造で培ってきたペン先や色、素材の技術、使いやすさを応用し、研究開発から製造まで手掛けたブランドです。
ブランド名は、「ぺんてるくれよん」のパッケージに描かれている女の子「ルル」と、イタリア語で化粧品を意味する「コスメティコ」に由来。
第1弾となる商品が、9月に発売されたリキッドアイライナー(全3色)です。
筆ペンで培ってきた技術が活用されており、適度なコシでなめらかな描き心地や、細いラインがぶれにくいといった特徴があります。
「文具・画材は化粧品と類似する点も多く、親和性があると考えています。筆記具や画材の開発製造で培った技術を用いて、製品で表現する場所を紙から顔、目元へ移すという発想から、化粧品分野へ進出することにしました」
そう話すのは、ぺんてる化成品部の担当者です。
化粧品メーカーと共同開発を行った経験もあることから、アイライナーを第1弾の製品とした選ぶことに。
すでに他社から多くの商品が販売されているアイライナーで、どうしたら他社製品と差別化できるかに着目。
筆ペンのように柔らかくなめらかで、細い線も太い線も思いのままに描ける商品を目指したそうです。
半世紀近く前に発売された、人工毛を使用した筆ペン「ぺんてる筆」。
そこで培った、毛先を細く尖らせるテーパー加工技術や、筆の水含みを良くするためにさまざまな断面積の繊維を均一に混ぜる技術などが、アイライナーに生かされているそうです。
速乾性に優れ、汗や皮脂に強く、落ちにくい独自開発の内容液については、ボールペンなどのインキ研究開発で培った技術が生かされています。
「文具・画材と異なり顔に使用するものですので、素材選び、選んだ素材と容器・穂先に合う濃度の調節などはとても難しかったです。また、市場が求めている色の追求にも苦労しました」
現在販売されているブラック、ダークブラウン、プルシアンブルー以外の新色や、アイライナー以外のアイテムについても研究・開発を進めているといいます。
「ぺんてると聞いてみなさんが思い出すのは、きっと『ぺんてるくれよん』ではないかと思います。大きくなったルルを想像し、みなさんに素敵になってほしいという思いでスタートしたブランドですので、身近に感じていただけるとうれしいです」
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