ネットの話題
ネットで即日完売「かざすだけで元気になる」キーホルダーの秀逸さ
作者が語る「見守ってくれている」感
「かざすだけで、何でも元気になっているように見える」。そんなコンセプトのキーホルダーが、ネット上で人気を博しています。一瞬ギョッとするけれど、なぜか手元に置きたくなってしまう。不思議な中毒性にあふれたグッズの制作背景について、作者の大学生に聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
「かざすといろんな物から手足が生えているように見えるキーホルダー」「ひとつあると良い日々になります」
今年の元日、そんな文言入りのツイートが投稿されました。添付画像に写っているのは、てのひらサイズのアクリル製キーホルダーです。その名も「なんでも元気になる四肢」といいます。
デザインは、ありふれたものではありません。リアルな両腕と両脚の写真が、何もない空間に浮かんでいます。胴体から伸びているように見える、絶妙な配置です。
しかも、脚はがに股。腕に至っては、両方の前腕を上側に折り曲げ、力こぶをつくるかのごとき格好です。それぞれ細いのに、力強ささえ感じられます。
「めちゃくちゃじわるし、買いたい」「筋肉バキバキバージョンも作って欲しい」。ツイートには好意的なコメントが数多く書き込まれました。3万近い「いいね」がついたほか、リツイート数も1万回を超えています。
製品を作ったのは、京都府在住の大学生・八羽(はっぱ)さん(18・@aoiwa_88)です。どのような経緯で手がけるに至ったのか、取材しました。
ある日、時計を眺めていた八羽さん。いつしか文字盤が顔に、長針と短針がひげのように見えてきたそうです。「手足が生えていたら、もっと生き物みたいになるのにな」。そんな考えが、自然と頭に浮かんできました。
「加えて、私自身の体形が細長く、独特の面白さやひょうきんさを感じていたことも大きいです。自分の身体の部位を使って、何か作ってみたいと常々思っていました」
そこでキーホルダーのアイデアを思い立ち、自らの両腕と両脚を撮影することにしました。何度も試作を重ね、手足の大きさや比率、位置を微調整。発案から2週間ほどかけて、完成に至りました。
最大の売りは、「色んなものに手足を生やすことができる」点です。いわく、出先でさっと取り出せるよう、今回のような形式のグッズにしたといいます。
八羽さんによると、キーホルダーは昨秋に100個ほど制作されました。マルシェなどで販売後、売れ残ったものを、自ら運営するウェブショップ上で扱い始めます。
実は元々、それほど需要があるとは考えていませんでした。しかし予想に反して、製品は大きな反響を呼び、即日完売したのです。
現在は再販予約を受け付けており、1月下旬の発送を目指して、目下増産中なのだとか。「一人で作業しているためてんやわんやです」と語ります。
キーホルダーは、どんなものと組み合わせるのが面白いのでしょうか。八羽さんは「家電製品にかざすと、実は妖精で、普段から自分を見守ってくれていたんじゃないかと感じられて好き」。葉っぱや松ぼっくりとも相性がいいそうです。
そして、ネット上で高い評価を得たことについては、次のように話しました。
「好感を持ってくださっているような反応ばかりで、とてもうれしいです。たくさんの方に興味を持って頂けて、ありがたいと思います。ぜひ外に持ち出して遊んで欲しいですね」
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