連載
#129 #小山コータローの4コマ劇場
「みんな新しいゲーム買ってる」 ねだる子どもに、父の切ない一言
クソ~
ゲームの思い出…最初にやったゲームはたぶん、ゲームボーイのスーパーマリオランドだと思います。
もう今やスマホゲームでもすごいクオリティでキャラクターが動いてますが、当時のゲームボーイのマリオなんて、今考えてみたらパッケージに書いてあるマリオのイラストが脳に刷り込まれているからマリオと認識できているだけで、ほぼ黒い点でした。
Aボタンを押せば黒い点がピョンと跳び、Bボタンを押しながら進むとすごいスピードで黒い点が進むんです。
フラワーを取ると、ファイヤーが使えますよね。今のマリオは火の玉がちゃんとでてますが、当時のゲームボーイではまったく再現ができないので黒い点から小さい黒い点が飛び出していました。
今思えばあれを「ファイヤー」と言いきっていた任天堂の姿勢にも、あれがちゃんとファイヤーに見えていた子供の頃の自分を褒めてあげたいです。
そこから考えると、今のゲームはどんどんリアルに近づいていったせいで「ちょっとした不自然」が気になってしまうようになりましたよね。
昔は、かなりこちらの想像力で肉付けしていたので「ちょっとしたリアル」を探そうとしていたから、足りない部分なんか気にしてなかったように思います。
ギャグ漫画なんかは特にそうですが、不完全で想像を掻き立てる余白があったほうが面白いことが多いと僕は考えています。
これからのゲームはさらにリアルに近づいてゆくことでしょう。そしていつしか私生活との境目が曖昧になっていくのです…みなさんも注意してくださいね。
そういえば中学生の頃、野球ゲームにハマり、自分の名前で作った野球選手でプロ人生を送り、全てのプロ野球記録を破り、伝説的な選手として引退していきましたが、実際は卓球部で団体戦のメンバーの当落スレスレにいたのです。
こんな事が許されるのでしょうか。
王や張本を超えたこの僕が、弱小卓球部の団体戦メンバーにはいれないかもしれない。
こんなことがバレたら恥ずかしいので、長嶋の耳に入れないようにバースにも口止めしなきゃいけませんね。
そんな世の中に喝だ!!
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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