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なんてヤバイ発明品だ…持出厳禁〝ノンセキュリティはんこ〟に戦慄
ヒントは映画、究極の自作ジョーク品
厳重に秘匿されるべき、パソコンのログイン用情報。ある映画に着想を得て作られたという「管理用」ツールの写真が、SNS上をざわつかせています。究極のジョークグッズを自作した人物に、誕生の経緯を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
注目を集めているのは、18日にツイートされた画像です。
黄色い付箋(ふせん)上で、縦方向に並ぶ「サービス名:」「ユーザーID:」「パスワード:」の文字列。黒いインクで刻印され、右側に情報記入用の空間が確保されています。
付箋の右側に目を移すと、反転した文字列入りのゴム印が転がっているのです。実はこれ、パソコンの使用時に必要なセキュリティ情報を、記録しておくためのグッズなのでした。
ツイートには、こんな文章も添えられています。
「こいつはヤヴァイ発明をしてしまったゼ、、、 このハンコと付箋があればキレイにメモしてモニター周りに解りやすく貼っておくことが出来るのだ!」
「ガバガバセキュリティガバナンスじゃん」「売れちゃいけないのに売れちゃいそう」。画像を見た人々からは、戸惑いのコメントが相次いで書き込まれ、9万超の「いいね」もつきました。
こいつはヤヴァイ発明をしてしまったゼ、、、
— トモヲ (@tomowo_PS2) October 18, 2022
このハンコと付箋があればキレイにメモしてモニター周りに解りやすく貼っておくことが出来るのだ!٩( ᐛ )و pic.twitter.com/KouPQeucFH
画像を投稿したのは、トモヲさん(@tomowo_PS2)です。趣味で段ボール製の精巧な模型を手がけています。人気アニメ「ガンダム」シリーズに登場する、人型兵器モビルスーツの頭部などをSNS上で発表し、たびたび話題をさらってきました。
トモヲさんによると、模型の制作にはレーザー加工機を使用しています。最近、新たな製品を入手したそうです。試しに何か作りたいと考えた結果、ゴム印のアイデアが頭に浮かびました。
「大きいと時間も材料ももったいない。なので付箋紙程度のサイズにとどめることにしました。そして人気映画『レディ・プレイヤー1』の登場人物が、付箋にVRゲームサーバーへのログインパスワードを書き、放置していたと思い出したんです」
専用のパソコンソフトで、10分ほどかけて成形用データを作成。ただ出力時に設定を間違え、ゴムへの彫り込みの深さが、想定の半分ほどに減ってしまったといいます。A罫ノートの場合、押印箇所がちょうど罫線の狭間に収まるとのことです。
トモヲさんいわく、はんこを自ら使用する予定はありません。パスワードを覚え切れず、メモに残すという映画のシチュエーション自体が面白く感じられ、その再現を目的としていたためです。
ツイートの文言も、はんこを使うよう推奨するのではなく、あくまで冗談であると伝える表現になっています。
ただ「モニター周りに貼ると情報漏洩(ろうえい)につながるのでは」と、真剣に不安視する声も一部にあったと、トモヲさんは振り返りました。
「最近、はんこ文化の存続や、企業による個人情報の漏洩問題が報じられています。そうした話題に敏感になっている人が多かったのではと推察しました。自分のボケの技術が足らず、本気にしてしまった人に申し訳なかったと感じております」
一方で多くの人々は、あくまで「ネタ」として楽しんだようです。使い方次第では危険なアイテムですが、想像力を働かせる快さを、教えてくれる一品とも言えるかもしれません。
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