連載
#125 #小山コータローの4コマ劇場
最近〝冷たい〟彼女…「マジ?」別れを勧める友人、着信の解釈が独特
そういう意思表示ではない
かみつかれた経験…結構前ですけど、巻き込まれる形で噛みつかれた事はあります。
本業の仕事の中に「水質検査」というものがあるのですが、とある別荘地の一般宅に採水に行った時の話です。
その別荘地に入るには、車で、草が生い茂った細い道を通らないといけません。いつも通りその細い道の前に行くと、その細い道に真っ赤なスポーツカーが止まっていました。
「野生のスポーツカーだ!」
僕は初めて見る野生のスポーツカーに興奮しましたが、中におじいさんが乗ってるのが見えたので、名探偵の血が騒ぎ違うとすぐに気づきました。
よく見るとそのスポーツカーから少し離れた場所に、水質検査の依頼をした奥様と、その別荘地にすむ住人の方が数名いました。
「どうしたんですか?」と僕が聞くと
「あの人、この道は自分の所有地だから、通行料を払えってたまにあそこに居座るのよ」と言うのです。
そんな大江戸で悪名高いやつみたいな事が実際にあるのかと思いながらも、この道が通れないとなると僕は水質検査にいけないのです。どうにかしないとと困っていると、奥様が名案を出してきました。
「そうだ!小山さんに説得してもらいましょう!」
どんな発想でそうなったのかはわかりませんが、こんな突飛な案、誰も賛同する訳ありません。すると続けて一緒にいたおじさんが
「…そうだな!」
どうやら僕は奇天烈別荘地に来てしまったようです。仕方なく僕はスポーツカーなら近づき、おじいさんに話しかけました。
「すいません。僕業者なんですけど、車でここ通らないとあそこの家に行けないんですよ」
すると、おじいさんは
「あ〜〜ん!?ワシは…歩いていけると、そう思うぞ〜〜〜い!」
とキバを立ててきましたが、よく考えたら確かに歩いていける距離だったので歩いていきました。
特に力にはなれませんでしたが、最後に奥様が「あの人、もう裁判で2回負けてるのよ」と言っていたのがとても悲しかったです。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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