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クレヨン増えすぎた…悩める母親の活用法が「天才的」ヒントは古代に
夏休みに楽しみたい最高のアイデア
お絵かきが大好きな、幼い我が子。親として悩ましいのが、使い切れないまま、手元にたまり続けるクレヨンの取り扱いです。とある母親が挑戦した、意外すぎる活用法が「天才的」と、ツイッター上で話題を呼んでいます。夏休み中、家族で楽しんでみたいアイデアの背景について、取材しました。(withnews編集部・神戸郁人)
「家中のもう使わないクレヨンを娘と剝(む)いて これからオーブンで溶かして一枚の板にします」
続く5本のツイートでは、クレヨンがオーブンの中で変形していく様子が、画像と共に報告されます。
赤、オレンジ、緑、青……。一本一本がゆっくりと溶け出し、マーブル状の液体と化していく。まるで虹色の飴(あめ)を作っているかのようです。
クレヨンはやがて冷えて固まり、分厚い板状に。更に、細かく割られ、バラバラになったさまは、カラフルなチョコレートを思わせます。
「最高に楽しそう」「自分や親戚の子供と一緒にやってみたい」「発想が天才的」――。一連のツイートには好意的な反応が集まりました。最初の投稿に、6万近い「いいね」もついています。
画像をツイートしたのは、米国・ニュージャージー州に住む画家、バートリー今日子さん(@NandaroAmerica)です。野生動物やペットの絵画の制作に加え、在米日本人のオンラインコミュニティー「在米鍋会」を主催しています。
日本の小学校にあたる、エレメンタリースクール3年生の長女と暮らす、バートリーさん。画業に勤しむ母のもとで育ったからか、長女もお絵かきが大好きです。お気に入りのゲームのキャラクター・ソニックなどを、毎日のように描いています。
今回、なぜクレヨンを溶かそうと思ったのか。きっかけは、こんな出来事でした。
バートリーさんによると、同州のプレスクール(幼稚園)やエレメンタリースクールでは毎年、水性マーカーやクレヨンといった画材を持参するよう、各家庭に指示が出ます。美術の授業などで用いるためです。
「娘が好んで使うのはマーカーで、すぐ無くなります。一方でクレヨンは、エレメンタリースクールに上がって以降、あまり利用していなかった。学年末にほぼ使わないまま戻ってくるので、5年間で10箱分、240本ほどもたまってしまいました」
そこでバートリーさん、一計を案じます。エンコースティックという、蜜蠟(みつろう)を熱で溶かして絵を描く、古代の画法を思い出したのです。そして固形の蜜蠟の見た目をヒントに、余ったクレヨンを合体させるアイデアをひらめきました。
作業の手順はこうです。バットにクッキングシートを敷き、バターの包装などに使うパーチメントペーパーを載せ、クレヨンを並べます。更に75℃に設定したオーブンで、50分ほど加熱。長女の安全を確保しつつ、溶ける様子を見守りました。
「菓子折りの箱いっぱいに入ったクレヨンの巻紙を、娘と延々と取り除くのも面白いものでした。クレヨンは溶けるとさらさらした液体になり、ちょっと動かすだけで互いに混ざってしまう。その混ざり方の偶然性も、見ていて楽しいと思います」
虹色に生まれ変わったクレヨンは、やけどに気をつけながら、柔らかいうちに手で割りました。使ううち、予測不可能な色が紙の上に現れる。我が子に、その面白さを味わってもらえるのではないかと、バートリーさんは期待しているそうです。
「学校が夏休み中なので、『レインボーブロッククレヨン』を使い、娘と絵を合作するのも面白いかもしれません。なんと言っても、子供と一緒に何かできる時間を持てることが、とても幸せですね」
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