連載
#6 #探していますの物語
バイスタンダー、知ってる? 丸の内消防署が人探し「感謝伝えたい」
急病人に出会ったら「まず周りに声掛けを」

【人を探しています!】に、「名乗り出てほしい」
ツイートがあったのは7月11日。
東京消防庁が【人を探しています!】としてツイッターで投稿しました。
《【人を探しています!】
令和4年6月27日(月)17時頃、東京駅八重洲中央口で急病人が発生した際、交番へ駆付通報、心臓マッサージをしてくださった方に感謝をお伝えしたく探しています。お心当たりのある方は、丸の内消防署(03-3215-0119)までご連絡ください》

このツイートは、1万件リツイートされ、1万件以上の「いいね」がつくなど拡散されました。
ツイートには、「ヒーローだ」「名乗り出てほしい」など、救助者の行動を称讃するコメントや、急病人の方の気持ちに寄り添い「助けてもらったお礼を言いたいけど言えないと、心残りになる人もいるんじゃないか」などの反響がありました。
丸の内消防署「感謝伝えたい」
丸の内消防署によると、当時の状況については、ツイート以上のことは明らかにできないとのこと。
ただ、駆けつけた救急隊員らからの情報によると、現場には第三者がいて、その人が交番への通報や心臓マッサージを行っていたということを確認したため、丸の内消防署が「感謝を伝えたい」とのことでした。
「もし名乗り出ていただいた場合、表彰させていただくこともあります」
東京消防庁のアカウントではこの件以降も、救命活動にあたった方を探す投稿がなされています。
《【#人を探しています!】
令和4年7月15日(金)14時頃、都電荒川線「熊野前駅」で急病人が発生した際、AEDを取りに行ってくださった方とAEDパッドを装着してくださった方に感謝をお伝えしたく探しています。お心当たりのある方は、尾久消防署(03-3800-0119)までご連絡ください。》
倒れた人に出会ったら…まずすべきこと
では倒れていたり、具合が悪そうな人に出会った場合、そこに居合わせた人(バイスタンダー)には何ができるのでしょうか。
丸の内消防署の担当者は「やはり一人で対応するのではなく、まずは周りに声掛けをしてほしい」と話します。
その上で、多くの人が行き来している場所であれば、周りに助けを求め、集まった人にそれぞれ、「119番通報をお願いする」「AED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらう」など、具体的な役割を割り振り、応急手当をしながら救急隊員の到着を待ってもらえればと話します。

応急手当の目的に「苦痛の軽減」
応急手当の一番の目的は「救命」ではありますが、HPを見て驚いたのは、「すぐに救急車が来ます」などの声掛けも、「苦痛の軽減」として応急手当の目的の一つに盛り込まれていることです。
もしも具合の悪い人に出会ったときに、自分にもできることがあるのではと思えたのと同時に、AEDの使い方もおさらいしたいと思い、救命講習を改めて受けようと思いました。
東京消防庁では、心肺蘇生やAEDの使用方法などについて学べる救命講習も定期的に開催されています(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm )。
また、東京消防庁のHPには、こんなデータも盛り込まれていました。
《バイスタンダーによる応急手当があった場合、なかった場合に比べ、病院収容前の心拍再開率は約2倍高くなっており、また1か月生存率は約3倍の差が生じています》