連載
#109 #小山コータローの4コマ劇場
〝健気に咲く花〟になるか、それとも… コンクリートで「生き抜く」
たくましくなっちゃう
「このままでいたいなと思う瞬間」ですが、自分も年齢的にはいい大人になってしまいました。
正直10代の頃から中身が変わっていないと思いつつも、僕は副業で漫画を書いている社会人なので社会経験がたっぷりです。
仕事で見積もりを作ったり、報告書を作ったり「かしこまりました、では精査してまたご連絡致します。」などと言っているわけですが、ふと我に返ると
「…社会人か俺は!」
と思って怖くなります。本来の自分は、見積もりの金額を語呂合わせで作ったり、報告書を縦読みで「たすけてください」にしたりする男なんです。
真面目に仕事をこなすなんて、ちゃんちゃらおかしいんです。お客さんの前で急に服を脱いで背をむけて「精査のち連絡」のタトゥーを見せるべきなんです。
やはり、高校時代架空のあだ名「ガタヤン」を上履きに書いて過ごした時のように、もっと自由に生きていたいです。歳を重ねて大人になろうとも、心だけは歳を取らず、体力がなくなり頻繁に腰を痛めながらも、あの頃のように全てのテストの点を当たり前のように書き換え、母にバレないように改竄技術だけが向上したあの気持ちを忘れてはいけないのです。
みなさんも契約書の収入印紙に割印なんてしている場合ではありません。もっと思い思いの形でいいんです。今度からは契約書にキティちゃんのシールを貼って割キスマークを付けてください。
そして上司に怒られて、減給です。
それが本当のあなたなんです。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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