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ネットの話題

「いつもありがとう」消防署前にメッセージ、雪国で起きたサプライズ

「感謝にちゅうちょは不要」共感広がる

消防署の敷地内に積もった雪をなぞり、書かれたメッセージ。その内容が、ツイッターユーザーの心を温めています。
消防署の敷地内に積もった雪をなぞり、書かれたメッセージ。その内容が、ツイッターユーザーの心を温めています。 出典: 室蘭市の公式ツイッター(@Muroran_City)

目次

北海道室蘭市の消防署前で起こった、思いがけない「サプライズ」が、ツイッター上で話題です。タイムラインに出回った関連画像が、見る人の心を温めています。署の関係者に、受け止めを聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

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メッセージに添えられた「笑顔とピース」

「【消防本部車庫前にメッセージをくれた方へ】」。21日朝、室蘭市の公式ツイッターアカウントが、そんな書き出しで始まるつぶやきを投稿しました。

添付された画像を見ると、うっすら雪が積もった道路が写っています。その上をなぞる形で、「いつもありがとう!」というメッセージと、笑顔でピースするキャラクターが描かれているのです。

そして冒頭の文章は、次のように続きます。

メッセージを職員全員に届けさせていただきました。
職員一同、改めてこの仕事に誇りを感じることができました。
メッセージを励みに、今後も安全安心を守るため、努力して参ります。
心温まるメッセージ本当にありがとうございました。

消防長 赤木 裕之
室蘭市の公式ツイッター(@Muroran_City)

「ありがとうを言うのに、ちゅうちょはいらない」「久しぶりに優しい気持ちになれた」。つぶやきには好意的なコメントが連なりました。26日時点で6.4万以上の「いいね」が付き、リツイート数も1.6万を超えています。

勤続30年のベテラン職員も初体験

メッセージが見つかったのは、JR東室蘭駅に程近い、室蘭市消防署の車庫前です。建物は室蘭市消防本部を兼ねています。第一発見者で、同署課長補佐の上原達哉さん(50)に、話を聞きました。

16日午後4時50分頃、上原さんは、消防署2階の事務室で勤務していました。当日は大雪注意報が出ており、近くの窓から外の様子を確かめた際、文字が目に入ったといいます。幅16メートルほどにわたる、「大作」でした。

「30年近く勤務していますが、あんなことは初めてでした。我々にしてみれば、本当に心強い応援です。他の職員も呼び、スマートフォンでメッセージを撮影し、喜び合いました。市のアカウントから流した写真は、私が撮ったものです」

上原さんいわく、消防署の建物は幹線街路に面しています。「文字が書き付けられてから、それほど時間は経っていなかったのではないでしょうか」。しかし誰がいつやったのか、全く分からないと語りました。

室蘭市消防本部の建物。
室蘭市消防本部の建物。 出典:室蘭市ウェブサイト

「期待に応えられるよう、努めたい」

消防署前の雪は、翌日午後に溶け、メッセージも消えてしまったそうです。一体、どんな理由で寄せられたのか。上原さんは「真相は不明ですが……」と前置きしつつ、こんな推測を教えてくれました。

16日には、トンガ沖で海底火山が爆発しました。その影響で、日本の太平洋沿岸地域に、津波警報・注意報が発令されます。室蘭市も注意報の対象となり、消防署などの公的機関が、市民に警戒を促しました。

また年明け以降、市内で火災が多発している点も見逃せません。上原さんによると、16日時点で、既に6件ほど発生していました。例年、この時期に確認されるのは、1カ月に1~2件程度といいます。

「加えて、新型コロナウイルスの急拡大を背景に、救急搬送事案も増えつつあります。こうした中で、消防関係者を労う意図があったのかもしれません」

上原さんは火災の予防策として、ストーブの上で洗濯物を乾かさないことや、コンセント差し込み口付近のこまめな掃除が大切と指摘。また、基本的な感染症対策の徹底も訴えました。その上で、次のように話しています。

「今回のメッセージには、我々への感謝だけではなく、『仕事を頑張って欲しい』という意味も込められていると思います。期待に応えられるよう、努めたいです。本当にありがとうございました」

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