【大賞】誰かタイムマシンを貸してください(いぬパパ著)
高校生活も残りわずか、告白するしかない――。そう決意した男子高校生が、なぜか〝マンガを描いて自宅に送り、呼び出して告白する〟方法を選んだという甘酸っぱい思い出です。
途中で入る「どうなってんだ 当時のボクの思考回路」「この後の展開が不安であります」という「実況」に思わず吹き出しました。
きっとその女の子は嬉しかっただろうし、はにかみながら当時を思い返しているんじゃないかなぁと想像します。
誰しも、思い返すと顔から火が出そうな失敗談ってあるでしょう。それをマンガで昇華できるのってすばらしいことだなぁと思いました。(選評:水野梓)
【入賞】高橋君、すきです(ヘケメデ著)
寝起きという、人間が一番、素直になれる瞬間に思い出す記憶として、こんなに素敵なものはないというエピソードを描いてくれました。
あの時、思い切った行動を取っていたら……高橋君と、こんなに長く一緒にいられなかったかもしれません。
情報があふれかえる現代社会では、山あり谷ありの過激な出来事が前に出てきがちです。そんな中で見失いがちな〝何もなかった〟時間の大切を教えてくる作品でした。(選評:奥山晶二郎)
【入賞】40歳目前で決断した卵子凍結のリアル(小柳かおり著)
人生の大きな決断「卵子凍結」について、実体験を包み隠さず打ち明けたことによって、勇気を与える作品だと思いました。体験を伝える手段としてマンガを選んだのは最適だと思います。
作者の心の動きから、具体的な段取りや体調まで、顔の表情の描写や図などを駆使することで、より伝わりやすくなったのでは。勇気を出した告白が、多くの人の力になり、理解を広げるきっかけになることを祈ります。(選評:橋本佳奈)
【入賞】実は…トンネルが怖いのです!(chiku著)
入社して日本で3番目に広い都道府県に配属されました。事件があれば東へ、スポーツの取材があれば西へ。文字どおり、マイカーで東奔西走の日々でしたが、私も怖かったのがトンネル内の運転でした。
それまでの開放的な環境から、閉じ込められたような感覚に。主人公のように言いようもない不安に襲われ、「もうすぐ抜けるかな……まだ出口が見えない。まだかな、まだかな……ようやく光が見えた」ということを繰り返していた気がします。
「たかがトンネルで」とも思っていたので、chikuさんの作品を見て心が少し軽くなりました。主人公があるきっかけを機にトンネルでの運転にも慣れていったという結末も良かったです。(選評:丹治翔)
今回ご紹介できなかった応募作品は、コミチのサイト(https://comici.jp/stories/?id=448)でご覧ください。ご応募いただき、ありがとうございました!
withnewsは2018年10月から、マンガのSNSを運営する「コミチ」とコラボ企画を始めました。毎月のお題に沿って、身近な出来事や思い出をストーリーにした作品を募集しています。
8月のお題は「#わたしのプレイリスト」です。
あなたにとって心に残る「プレイリスト」はありますか? 自分の気持ちを切り替えたいとき、落ち込んだときに励まされる曲たち……。あなたの「プレイリスト」にまつわるエピソードをお待ちしています。締め切りは9月5日です。