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ネットの話題

トレーなし鶏肉、ツイッターで話題に「実は15年前から…」地味な工夫

「過去に豚肉をノントレーで販売してみたことがありますが…」

サミット一部店舗の鶏肉売り場=サミット提供
サミット一部店舗の鶏肉売り場=サミット提供

目次

関東地方で約120店舗のスーパーを展開する「サミット」では、6割の店舗で、鶏肉を「トレー」ではなく、「袋詰め」で販売しています。そのことに気付いた消費者のツイートには、「いい仕事してる」「これは便利」といったコメントがつき、拡散されています。環境意識の高まりもある中、鶏肉を袋に入れて販売している理由などについて、サミットに聞きました。

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「問題ないならこの方向で」ツイッターで話題

話題になったツイートは、袋詰めされた鶏肉が並ぶ商品棚の写真とともに、「トレーを廃するの良いね。捨てるとき結構邪魔だったのよな。これで問題ないならこの方向で行って欲しい」と投稿されたもので、1万件以上のリツイート、4万件以上の「いいね」がついています。

実は15年前、一部店舗で始まっていた

サミットの精肉部マネジャー・草木迫伸彦さんによると、サミットで鶏肉を袋詰めで販売し始めたのは、実は15年ほど前にさかのぼります。
当時、ゴミ袋の有料化が始まった地域のお客さんから「できるだけゴミを減らしたい」「かさばらせたくない」という要望があり、その地域から袋詰めを導入し始めました。

当時、袋詰めは手作業だったため、「社内からは作業効率が悪くなる」と反対意見も出たそうです。
「実際、トレーで商品化する場合は、1時間に120パック程商品化出来るのですが、手作業で袋に入れると、作業効率は半分ほどに落ちました」

その後、ノントレー包装機の導入によって、作業性は改善。袋詰めで提供する店舗も、サミット全店120店舗のうち80店舗ほどになりました。2020年度末には、16店舗に機械を導入し、ノントレーの流れが加速したそう。

「精肉の売場ではトレーで提供する商品が主なので、通常の包装機とノントレー包装機の両方が必要になります。そのため、作業場のスペースに余裕がある、新店や改装店から順番に導入しています」

デメリットもある袋詰め、それでも

ただ、店側にはデメリットもあります。
袋詰め用の機械の導入にかかる経費は「100万円単位」。さらに、「ノントレー包装機の値付けスピードは、通常の包装機と比べて3割ほど落ちます」と、手作業の時代から改善はあったものの作業効率の悪さも残っているといいます。

それでもノントレーへの移行を徐々に進めている理由は「少しでもゴミを減らしたい」という思いから。

「環境問題がクローズアップされる中で、可能な限り進めていくべきだろうという判断です」

さらに、「家庭でのゴミ捨ての際、できるだけかさばらせたくないということだと思いますが、店舗での清算後、トレーを捨て、袋に詰め替えるお客さんも一定数いる」と、客側からは環境問題とは別の視点からのニーズも感じていると草木迫さん。

お客さんからの反応はおおむね好評で、「ノントレー包装機を入れた店舗のお客さまからは『いいね』といった声が寄せられます」。

サミットの精肉売り場の商品棚=サミット提供
サミットの精肉売り場の商品棚=サミット提供

「スライス肉は難しい」その理由

現状、サミットで袋詰めしている精肉製品は、鶏肉のみ。豚肉など他の肉で袋詰めのかたちをとる可能性はあるのでしょうか?
草木迫さんに聞くと、「鶏肉以外はなかなか難しいです」との答え。

「切り落とし肉や、薄切り肉は、盛り付けなど見栄えがきれいでないと買っていただけないと思います。過去に豚肉をノントレーで販売してみたことがありますが、あまりお客様に支持されなかったことや、作業性の悪さから断念しました。」

今後の展望については、「今後もノントレー包装機の店舗を増やして行きたいと思います。それ以外にも、バイオマス原料の割合を増やしたトレーを使うなど、環境に優しい包装を工夫していきたい」と話しています。

今回、ツイッターで話題になったことについては「15年ほど前からやっているので、いまさら感はありますが」と笑いつつ、「評価されたことはうれしく思っています。やっていてよかったし、これからも可能な限り増やしていくべきだと思っています」。

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