連載
#83 ○○の世論
結局、今年の連休どうします? 世論調査、にじみでたコロナの不安
大阪人の「お出かけ意欲」を直撃
コロナ禍の中で迎える2度目のゴールデンウィーク(GW)。例年なら旅行や帰省など移動が活発になるところですが、今年はどうなるのでしょうか。世論調査で尋ねました。(朝日新聞記者・植木映子)
まず、昨年の11月14、15日に年末年始の帰省や旅行の予定について尋ねた世論調査(電話)を振り返ってみます。
結果は「計画している」11%、「計画していない」88%でした。
調査時は、政府の観光支援策「Go To トラベル」の実施中でしたが、慎重な姿勢がうかがえます。
「計画している」は男性14%の方が女性8%より高めで、女性は91%が「計画していない」と答えています。
年代差もありました。「計画している」は40代以下が比較的高く、18~29歳では23%。一方、70歳以上で「計画している」は、わずか3%にとどまりました。年代が高い方が帰省「される」側の傾向が強いこともあるかもしれません。
地域別にみると、東京都は17%、大阪府は14%が「計画している」と答え、その他の地域より高めでした。
では、今年のGWの帰省や旅行の予定はどうでしょうか。4月10、11日に行った世論調査(電話)で尋ねました。「計画していない」は93%にのぼり、「計画している」は6%にとどまりました。
緊急事態宣言が3月に解除されたとはいえ、その後、新型コロナウイルスの感染者はリバウンド傾向が続いています。昨年11月より、コロナ禍の不安が増し、慎重な傾向がさらに強まったといえそうです。
GWの旅行や帰省については、70歳以上の人が「計画している」2%、「計画していない」97%と、特に慎重だったことを除けば、年代差や男女差は、ほとんどありませんでした。
地域別には、少しだけ差がみられます。
東京都では「計画している」9%、「計画していない」89%と、他の地域より「計画している」が多めでした。
一方、大阪府では「計画している」3%、「計画していない」97%と、非常に慎重な姿勢でした。東京以上に深刻な感染状況や、全国に先駆けて適用された「まん延防止等重点措置」が、大阪人のお出かけ意欲に影響した可能性があります。調査日の直前の9日には、東京も「まん延防止等重点措置」の追加適用が決まりましたが、調査時点での危機意識は、温度差があったのかもしれません。
昨年のGWは緊急事態宣言下で、人出が大きく減りました。携帯電話の位置情報によると、前年と比べて各地で8割前後減ったというデータもあります。今年のGWも、2年連続で、ひっそりとしたものになりそうです。
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