連載
#13 漫画「あなたそれでも教師ですか」
「夢は必要?」新米教師の期待外れな答え 高校生のがっかり、漫画に
男子くんの不安定さがリアル
前回、美術科クラスの副担任「新米くん」に、教師になった理由を聞いた男子くん。新米くんから笑顔で「お金のため」と答えが返ってきたところで、前回の話は終わりました。
今回は、男子くんがその答えに「いや、そうだとしても正直すぎるだろ」とツッコミを入れるところから始まります。
男子くんが何を期待してその質問を投げかけたのかは、作者のしろやぎ秋吾さんの解説を待ちますが、「お金のため」という答えに、男子くんは「それだけですか!」「そんなの教師じゃなくたって何の仕事でもいいじゃないですか」と声を大にして訴えます。
そんな男子くんの気持ちを知ってか知らずか、新米くんは「俺はね、世界一の画家になる男なんだよ」と諭すように話し始めます。
「だから一日中美術のことだけ考えていたいし、力をつけたいの」と、とつとつと語り続けます。
「お金のため」と答えたときは、どこかフリーハンドで破天荒な気配すら感じさせた新米くんでしたが、実は色々考えた末で出た一言のようにも思えてきました。
「夢って必要ですか?」と質問された新米くんは、「ゆめ?ゆめ~~?」と腕を組んで考え込みます。
「別にないといけないもんじゃないと思うけど…」「なにその生徒と教師みたいな質問…」と、だいぶ悩んでいる様子。どこか頼りない悩み方をする新米くんです。
「ゆめ…目標…」と逡巡していた新米くんですが、人さし指を立てて、「そうだ!」とひらめいたようです。
考えた結果、新米くんが男子くんに伝えたのは、「じゃあお前、俺のライバルになれ!!」でした。
どうやらこれが、男子くんの「夢って必要ですか?」という質問に対する新米くんなりの答えのようです。
よくわからない展開に男子くんは「は?」とポカンとしています。
それでもなお、新米くんは続けます。
「俺はお前に負けないようにするから、お前は俺に負けないようにしろ!!」
そして男子くんはつぶやくのです。
「割と真面目に相談したオレの気持ちかえせ…」
「なんで教師になったんですか?」「夢って必要ですか?」――。男子くんから新米くんへの問いかけは、人生や仕事観についての根本的な問いのように思えます。
「夢が必要か」という問いへの答えは十人十色。新米くんも悩みながら答えますが、どうも男子くんの納得いく答えにはたどり着けないようです。「夢」がなくて悶々としているいまの男子くんは、もしかしたら「夢なんて必要ない」と言ってほしかったのかもしれません。
夢や目標を語り出した新米くんに、男子くんが感じた「がっかり感」の理由を、作者のしろやぎさんに聞きました。
【次回予告】
「男子くん編」の最終回です。新米くんから「ライバルになれ!」と言われた男子くん。果たして「夢」を巡るモヤモヤは解消されるのでしょうか。
◇
withnewsでは、しろやぎさんの「あなたそれでも教師ですか」を毎週日曜日に配信予定です。新米くんを軸とした教育現場を描いていきます。
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