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ネットの話題

スーパーに届く「理不尽な」お客様の声 援護射撃の気持ちをマンガに

「スーパーあるある」との正しい向き合い方

スーパー内の壁に貼り出された「お客様の声」。店舗の業務と無関係なクレームも少なくありません。それを見たニワトリ社員の反応とは……
スーパー内の壁に貼り出された「お客様の声」。店舗の業務と無関係なクレームも少なくありません。それを見たニワトリ社員の反応とは…… 出典: 「毎日でぶどり」のツイッター(@debu_dori)

目次

スーパーで、店舗に対する、お客さんの意見が貼り出してあるのを見かけたことがありませんか? 中には、業務内容と全く関係がない、謎のクレームも……。そんな筋違いな「声」に向き合う漫画が、ツイッター上で人気を集めています。SNSで連載され、会社員の鳥たちが、よりよい働き方を追い求めていく作品「毎日でぶどり」。メインキャラクターの2羽が登場し、理不尽な振る舞いに斬り込む内容です。自らの価値観を反映させたという作者に、手がけた経緯について聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

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漫画「お客様の声」
漫画「お客様の声」 出典:「毎日でぶどり」のツイッター(@debu_dori)

スーパーの貼り紙を見たのがきっかけ

「お客様の声」というタイトルの漫画は、15日に公開されました。

作者は橋本ナオキさん(@Abhachi_Graphic)。約2年半前から、インスタグラム(everyday_debudori)やツイッター(@debu_dori)上で「でぶどり」シリーズを連載してきました。『会社員でぶどり』(産業編集センター)として書籍化もされており、今年6月時点で単行本が3巻まで発売済みです。

「店員さんに感謝したい」といったコメントが寄せられ、1万超の「いいね」がつき、2千回以上リツイートされた今回の漫画。思いついたきっかけは、橋本さんが近所のスーパーを訪れたとき、お客さんの声を伝える貼り紙を目にしたことでした。

「『新型コロナウイルスの影響に便乗し、セールを取りやめるのはおかしい』。そのような趣旨の、店に対する意見が書かれていたんです。人の密集を防ぐための、苦肉の策であるはず。店舗側の落ち度のように書かれていて、違和感を覚えました」

こっそりとつづった店長の本音

ストーリー化にあたり、貼り紙の内容を、スーパーの業務と無関係なものにするよう心がけました。「店舗にも改善の余地があるのでは」と読者に思わせてしまうと、軸がぶれてしまうからです。

一方で、ユーモアを盛り込むことも忘れてはいません。店長からの返答部分をよく見ると、「大変申し訳ございません」の下に、薄い色で「とでも言うと思ったか?」と書かれているのです。

「本来謝る必要がないことには、毅然(きぜん)とした態度で対応した方がいい。そんな思いを込めています。店長が我慢しきれずに書いてしまった、という雰囲気を出すため、あえて文字のカラーを見づらくしました」

よく見ると、「大変申し訳ございません」という一文の下に、薄い色で「とでも言うと思ったか?」と書かれている
よく見ると、「大変申し訳ございません」という一文の下に、薄い色で「とでも言うと思ったか?」と書かれている 出典:「毎日でぶどり」のツイッター(@debu_dori)

「言葉を向けている相手は、同じ人間」

キャラクターの振る舞いも魅力的です。特にひよの「いいと思うことも伝えよう」という発言を受け、でぶどりがレジの色を褒めるオチは、何とも憎めません。「『そこは店員さんに感謝すべきだろ!』と突っ込みたくなってくれたら、一つの気付きにつながると思います」

でぶどりたちの姿勢は、橋本さん自身も大切にしているといいます。たとえばレジに行くときは「お願いします」、会計後に「ありがとうございます」と、必ず店員さんに言う。「言葉を向けているのは、自分と同じ人間である」と常に意識しているそうです。

漫画が話題になったことについては、次のように語りました。

「ただゆるい雰囲気を楽しんでもらうだけでも、ありがたいです。今回の話をきっかけに、『お店を当たり前に利用できていることに感謝しよう』と一人でも思ってくれたら、もっとうれしいですね」

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