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テラハのガイが自宅でサーフィンの講師に「今は自粛し、準備の時に」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月末まで緊急事態宣言の延長が決まり、「不要不急の外出自粛」の要請が続いています。4月には海に集まるサーファーに注目が集まり、非難の声が上がりました。そんな中、自宅にいながらサーフィンの上達につながる技術やトレーニング方法を学べるアプリ「モバレク」が今夏に公開される予定です。講師の一人は、人気テレビ番組「テラスハウス」のハワイ編に出演していた佐藤魁(がい)さん。プロサーファーとして活躍を続けるガイさんに現在の思いを聞きました。
コロナ禍でサーフィンが話題になったのは4月中旬。サーフィンの人気スポットの一つ、神奈川県藤沢市の鵠沼(くげぬま)海岸には4月18、19日、県内外から多くの人が訪れました。県による分析では、19日の海岸周辺の人口は、宣言前と比べて約6割も増えました。
海岸沿いを通る国道134号は渋滞し、テレビで海に入るサーファーたちの姿が報道されると、ネット上を中心に批判する投稿が相次ぎました。中には「死ね」などと強い言葉を使っていたケースもありました。
現在はプロサーファーとして活動しているガイさんにも、世の中の反応は届いていました。「報道も批判の声も見ました。実際にサーファーが海に入っていたのは事実なのでしょうがないです」と受け止めます。一方で、「みんながみんなそうじゃないというのはわかってほしい」。
ガイさんの周りのプロサーファーは、仕事を捨てて「Syay Home」をSNSで呼びかける人が多いと言います。ガイさん自身も海に行くことを自粛し、テレビ会議システム「Zoom」を利用してトレーナーとのトレーニングに励んでいます。
記者が「サーフィンをしないと、プロサーファーとしての仕事に影響が出て大変では」と尋ねると、「この自粛期間で自分を変えられるし、すごく良い時間だと捉えている」と話しました。海外の大会に遠征することがあるため、英語の勉強もしているそうです。
ガイさんも講師として参加するアプリ「モバレク」はウェットスーツメーカー「ネクストレベル」の社長で、伊豆大島出身の舟橋大吾さんが発案しました。舟橋さんも元プロサーファー。でも、子どもの頃は指導者が周囲におらず、ほぼ独学で練習をしていました。
「離島でも都会でも、時間や場所を問わず教えてくれる人がいれば日本サーフィン界がもっと底上げされる」。昨秋から構想を始め、今年4月30日に活動資金として100万円をめざしたクラウドファンディングを始めました。すると、数時間で目標金額に到達。5月8日現在で265万円超も集まっています。
ガイさんのほか、日本代表の村上舜選手や大原洋人選手など著名なプロサーファーら11人が講師に決定。月額480円でプロのライディング動画をイラストやコメント付きで見ることができます。今夏から公開予定です。
追加料金を払えば、講師とテレビ電話を通じて会話できるシステムがあります。ガイさんら講師陣が個別に自身のライディング動画をチェックして送り返してくれる「添削サービス」も受けられます。現在はコロナ禍でサーフィン自粛の傾向が強まっているため、アディダスの公式トレーナーが推奨する自宅でできるトレーニングも公開予定です。
新型コロナの影響で大会が軒並み中止になり、お金に苦しむプロサーファーも出ているそうです。アプリを発案した舟橋さんは「いずれはプロサーファーのセカンドキャリアにもつなげたい」と青写真を描きます。ガイさんは「今は自粛をして、アプリを使って自宅でサーフィンの準備をする時間にしてほしい」と呼びかけています。
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