連載
#45 コミチ漫画コラボ
「別に、普通かな…」飛び上がる気持ち抑えた「ドヤ顔」 漫画で描く
「うれしい」と言いかけたけど!
修学旅行先で訪日客に写真撮影を頼まれ、勇気を出して「ウェルカム」と英語で話しかけてみた女の子。馴染めなかったグループの生徒からも一目置かれ、観光客にも喜んでもらえた成功体験から、観光客に声をかけられたときは歓迎の気持ちを表現するように……。
英語が得意だった訳でも、グループの中心的存在でもなかった女の子が、「誰かが喜んでくれるなら」と一歩踏み出したことで生まれた「ドヤ顔」。こんなに優しい「ドヤ顔」を私は見たことがありません。(選評:野口みな子)
そのシチュエーションを表すドンピシャなたとえを思いついた時のドヤ感といったらないですよね。言ってみれば、はぐれメタルとの対戦ですぐに会心の一撃が出るぐらいの気持ちよさ。えっ、ピンとこないですか? だからはぐれメタルの……。
周りは突っ込んでいるのに、ドヤモードのままでいたい気持ちが伝わってくる作品でした。(選評:丹治翔)
ドヤ顔がドヤ顔を呼ぶという奇跡を描きました。ざっくばらんな突っ込みに、表情を変えず「脳にもいいのよ」と気遣いの言葉とともに返す女性A。すかさず男性は自信満々に造語「ねば味」を発射します。しかし、それは序章にすぎませんでした。女性Bが「ねばり」という鉄槌(つい)を下すのです。
見逃せないのは「でいいのでは?」と疑問形で投げかける女性Bの優しさです。そう、これは優しさが優しさを呼ぶ作品でもあったのです。(選評:奥山晶二郎)
ボルダリングをやりとげた娘「ぽんすけ」に、気持ちを聞くと「ウレ……」と言いかけたのに……。娘の渾身のドヤ顔集。
「ドヤ顔」って、私は「してると思われたらこっぱずかしい」ものだと思っていたんですが、作者が書き添えた「ドヤる度に自信を深めているのかもしれない」というコメントに、ハッとさせられました。そうか、「自信を深める」成長のステップなのか。私も積極的にドヤって行こうと思いました。(選評:松川希実)
大好きなアーティストのライブほどテンション上がることって、なかなかないですよね。しかもその座席が最前列だったら…。考えただけで心臓がばくばくします。この作品には、そんなときの経験が描かれています。
バンドのライブを最前列で堪能する作者は、終始夢見心地。しかも、最後に「集合写真撮るよー!」と呼びかけられます。ドギマギしつつ映り込みますが、後日その写真を見ると、見事にドヤってた…というお話です。
なかなかないシチュエーションに浮足だつ自分のなかにも、しっかり(ちゃっかり?)冷静な自分がいるところが表現されていて、妙に納得感がありました。(選評:金澤ひかり)
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