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台湾の閣僚 ピンクのマスクに 男の子の悩みへ「恥ずかしくないよ」
「男の子がピンクのマスクをするのは恥ずかしい?」 新型コロナウイルスが世界中に感染拡大しているなか、台湾でマスクにまつわる、心あたたまる動きが広まっています。マスクの流通管理が行われている台湾ですが、マスクの色までは選べる状況ではありません。「ピンク色のマスクをつけることに抵抗がある」という小さな男の子たちのために、閣僚からマスクメーカー、さらに企業がアクションを起こし、「色に性別は関係ない」というメッセージを発信しています。
「小さな男の子たちが、からかわれるのを恐れて、ピンク色のマスクをつけて学校に行くことに抵抗があるようだ」
そんな声が紹介されたのは、台湾の「政府対策本部」定例記者会見でした。子どもたちを心配する保護者たちの意見として、記者が言及しました。
それを知った台湾の衛生福利部部長(保健相に相当)で、新型コロナウイルスの政府対策本部長の陳時中(チェン・シーチョン)氏が取った行動が注目を浴びました。4月13日の記者会見で、政府対策本部のほかのメンバーと一緒にピンク色のマスクをつけたのです。
陳氏は、「ピンク色もいいですよ」と自らコメント。この出来事をきっかけに、「色に性別は関係ない」というメッセージが発信されるようになりました。
大きく動いたのは、台湾のマスク製造大手「中衛」でした。14日の週に、一日限定で10万枚の「桜ピンク色」のマスクを製造する、と発表しました。
フェイスブックではピンクへの思いも投稿されました。
「あなたが好きな色は、あなたに適した色です。ピンクも女性専用ではありません」
「より多くの人々にピンク色マスクの美しさを伝え、そしてピンク色へのステレオタイプを減らすために、『桜ピンクマスク』を製造し政府へ提供します」
さらに、男性たちにピンク色のマスク、服などを身につけた写真のアップロードをするように呼びかけましたところ、「ピンク色も格好いい」「色にレッテルを貼らないで」という理念に賛同した人々が、コメント付きで写真をアップロードしたのです。
「中衛」の投稿には、8千件を超える「いいね」に加え、主に男性から900件近くのコメントが集まりました。
「ピンク色の俺もいいでしょう」
「小さな男の子がピンク色マスクも、ハンサムだ!」
「ピンク色でも、誇りを持っている!」
「ピンク系もOKだね」
「Real men wear PINK!」
「僕は(ピンクの)マスクをつけたほうが格好いいと思う」
「男性も女性もピンクにふさわしい」
マスクをきっかけに起きた「ブルーは男性、ピンクは女性」、というステレオタイプを打破する運動は、様々な場所に広がっています。
例えば、多くの企業がフェイスブックやツイッターで自らのロゴをピンク色に変えています。ELLE、KFC、brother、ファミリーマートなど、日本でも馴染みのある企業も賛同。業界も飲食業、銀行、コンビ二、製造業など、多岐にわたっています。
これらの取り組みは、「#ColorHasNoGender」(色に性別は関係ない)というハッシュタグがつけられ、ツイッターなどで広がっています。
台湾のネットユーザーは、この一連のアクションをどう見ているでしょうか。
「(桜ピンクのマスク)すごくほしい」
「他の国はマスクがないのに、色を議論していることが超平和」
「全世界で台湾だけがマスクの色と柄を研究しているね」
「桜ピンクマスクは人気急増しているでしょう」
「幸せな悩みだ」
小さな男の子のために生まれたジェンダーにまつわる社会的なムーブメント。新型コロナウイルスの感染拡大という非常事態で不安が高まる時期だからこそ、人々の胸に響くものがあったのかもしれません。
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