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「4月2日 緊急事態宣言」検索結果がゼロ? グーグルに聞いてみた

3月31日17時すぎに「緊急事態宣言」と「4月2日」を組み合わせてグーグルで検索すると、「一致する情報は見つかりませんでした」と表示された。
3月31日17時すぎに「緊急事態宣言」と「4月2日」を組み合わせてグーグルで検索すると、「一致する情報は見つかりませんでした」と表示された。

目次

取材リクエスト内容

グーグルで「4月2日 緊急事態宣言」と検索すると、検索結果が表示されません。コロナウイルスと関係あるのでしょうか? 調べてほしいです。 月島リバー

記者がお答えします!

SNSやLINEなどで拡散していた「4月2日東京ロックダウン」のウワサ。3月30日に菅義偉官房長官はこれを明確に否定。安倍晋三総理大臣は「デマ」「フェイクニュース」とバッサリ切り捨てました。

ところが翌日31日、このウワサがネット上で再度、注目されることに。「緊急事態宣言」と「4月2日」を組み合わせてGoogle検索すると、結果が0件と表示されたのです。
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記者会見で質問に答える菅義偉官房長官=2020年3月30日午前11時24分、岩下毅撮影
記者会見で質問に答える菅義偉官房長官=2020年3月30日午前11時24分、岩下毅撮影
その結果、「デマを流布しないためにグーグルが意図的に表示させないようにしたのでは」とさらなる憶測が広がることに。これはデマやフェイクニュースへの対策だったのでしょうか。

グーグル日本法人を取材すると、一時的な不具合であり、意図的なものではないことがわかりました。(朝日新聞デジタル編集部・朽木誠一郎)

「4月2日東京ロックダウン」は「デマ」と首相

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「ロックダウン」というショッキングな言葉がニュースで扱われるようになりました。東京が封鎖されたら、もちろん困りますよね。こうした人々の不安を反映するように、あるウワサが流れました。それが「4月2日に東京がロックダウンされる」というもの。

しかし、3月30日に菅義偉官房長官が「そうした事実はありません、明確に否定しておきます」と異例のコメントをし、安倍晋三総理大臣もこのウワサを「デマ」「フェイクニュース」と厳しい言葉を使って否定しました。そして翌日31日、ネット上である騒ぎが起こります。

それが、「緊急事態宣言」と「4月2日」を組み合わせてGoogle検索すると、結果が0件と表示されるというもの。このことから「デマを流布しないためにグーグルが意図的に表示させないようにしたのでは」と、さらなるウワサが広がってしまいました。

踏み込んだプラットフォーム、しかし…

近年センシティブな情報について、SNSや検索エンジンなどのプラットフォームが、利用者をより適切な情報へと誘導するようになりました。「何が適切か」をプラットフォームがある程度、判断することになるので、本来は公平中立、いわば情報の「インフラ」である立場としては踏み込んだ対応です。

例えば新型コロナウイルスについて、フェイスブックは新型コロナウイルスに関する投稿を調査し、誤情報やデマだとわかった場合にはFacebookとInstagram上で投稿を非表示にしたり、Instagram上では、誤情報を広めるのに使われているハッシュタグをブロックしたり、といったことをしています。

Twitterでも「#コロナウイルス」などの検索結果について、厚生労働省のウェブサイトなど、公的な情報源へのリンクを表示するなどの工夫がみられます。
米カリフォルニア州マウンテンビュー市にあるグーグル本社=尾形聡彦撮影
米カリフォルニア州マウンテンビュー市にあるグーグル本社=尾形聡彦撮影
Googleも日本語の検索結果について、「支援関連情報」として内閣官房や厚生労働省の公式サイトや、「安全に関する情報」としてWHOの「正しい手の洗い方」動画を、優先的に表示するようにしていることが確認できます。

一方、このような「利用者をより適切な情報へと誘導する」という施策と比較すると、今回のウワサにあるように「検索結果を0件であるかのように表示する」、つまり「確実にあるものをないと表示する」対応は、グーグルのようなプラットフォームには、なじまないものでもあります。

31日17時すぎの時点では「緊急事態宣言 4月2日に一致する情報は見つかりませんでした」と画面に表示されます。日付を前日の4月1日にすると2300万件、3日なら316万件の検索結果が見つかったと表示されます。その後、19時すぎには、「4月2日」でも771万件の検索結果が見つかったと表示されるようになりました。
「緊急事態宣言」と「4月3日」を組み合わせて検索すると、316万件の結果が見つかったと表示された。
「緊急事態宣言」と「4月3日」を組み合わせて検索すると、316万件の結果が見つかったと表示された。

グーグルは「現在調査対応しています」

そこでwithnewsでは、グーグル日本法人を取材しました。同社は「ご指摘の問題について把握しており、現在調査対応しています」と回答。あくまでも一時的な不具合であり、意図したものではないということでした。その上で、以下のようにコメントします。

「情報にアクセスし使えるようにすることは Google の使命です。私たちのシステムは、アルゴリズムにより自動的に公平な検索結果を生成するように設計されており、これにより特定の個人・団体の偏見や意図に影響されることを防いでいます」

4月1日0時時点では、「緊急事態宣言 4月2日」でGoogle検索をすると、928万件の検索結果が見つかります。今や世界中の誰もが使うプラットフォームであるGoogle。政府や自治体が連日、会見をする中で現れた「検索結果ゼロ」だっただけに、人々の不安の高まりが様々な臆測を呼んでしまったようです。

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