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薩長同盟「それほどじゃない」説 きょうは「ライバルが手を結ぶ日」
学校で学ぶ歴史にも、新しい見方が生まれています
ビジネスの世界は別としても、更なる大きな目的を果たすため、互いの敵対心に一度蓋をして力を合わせる展開に、胸を熱くする人たちも多いのではないでしょうか。
そんな姿を思い出させる「ライバルが手を結ぶ日」ですが、由来となったのは150年以上前の「薩長同盟」です。
幕末、敵対関係にあった、朝廷と幕府が協力する「公武合体」派の薩摩藩と、尊王攘夷派の長州藩。文久3年(1863年)に、薩摩藩は会津藩と手を組んで長州藩を京都から追放し、長州藩は翌年京都に攻め込むも敗退します。これにより長州藩は「朝廷の敵(朝敵)」とされ、藩の存続も危ぶまれる状況になりました。
ライバルどころか溝が深すぎる仲とも言える両藩ですが、坂本龍馬と中岡慎太郎が仲介し、薩摩藩の西郷隆盛と長州藩の木戸孝允が薩長同盟を締結。江戸幕府の倒幕に向けた出発点とされています。
薩長同盟は2018年に放送されたNHK大河ドラマ「西郷どん」でも、視聴者の心に強く残るシーンとなりました。
しかし、現在では薩長同盟は「倒幕に向けた軍事同盟ではなかった」との見方も出ているようです。
また、「薩長同盟の仲介者」とされる坂本龍馬の立場も、「薩摩藩の利害を代弁するエージェント」だったというみられるといいます。
ただし、これまでの見方も支持されており、薩長同盟が明治維新に向かう時代の大きなターニングポイントであったことは間違いありません。
受験勉強で学ぶ歴史は、暗記が中心になりがちですが、学問の世界では次々と新しい説が生まれています。
大河ドラマをはじめ、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』などが、歴史の世界の魅力を気づかせてくれているのは事実です。一方、それらはあくまでフィクションの世界。最新の研究を調べてみると、実は、小説よりも手に汗握る事実が隠されていることも少なくありません。
誰もが知っている薩長同盟でさえ、今も、新しい発見が生まれていることは、逆に歴史の面白さなのかもしれません。
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