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ディクソン・ナバーロ…プレミア12海外勢、「助っ人外国人」多かった
野球の国際大会「プレミア12」の2次ラウンドが、11日からZOZOマリンスタジアム(千葉市)と東京ドームで始まりました。各出場チームにメジャーリーガーはいませんが、その分、日本のプロ野球にゆかりのある選手たちがいます。練習を眺めていると、ここにも、あそこにも「助っ人外国人」の姿が。それだけで、もう1チームできそうな気がしてきました。(朝日新聞スポーツ部記者・井上翔太)
2013年からオリックスでプレーしているディクソン投手は今大会、アメリカ代表の抑え投手として活躍しています。
まるで木綿のような髪の色にちなみ、愛称は「コットン」。オリックス在籍中に生まれた愛娘に「Nara」とつけるほどの親日家です。
メキシコで開かれた1次ラウンド。アメリカはドミニカ共和国と「勝った方が2次ラウンド進出」という厳しい状況の中、最終戦を戦いました。
3点リードの九回、試合の最後を締めくくったのが、ディクソン投手。母国は野球の本場と言われるだけあり「勝利をアメリカに持ち込むことが一番。優勝することが目標です」と抱負を語ってくれました。
1次ラウンドを3戦全勝で突破したメキシコ。
打線の中心は、昨年から阪神でプレーしているナバーロ選手と、中日やオリックスに在籍したクラーク選手です。1次ラウンド第1戦のドミニカ共和国戦では、この2人が2者連続本塁打を放ちました。
中でも注目は、ナバーロ選手です。日本代表「侍ジャパン」も含めて、阪神からは唯一の選出となり、SNSで多くの応援メッセージが寄せられたそうです。
「日本がいいチームであることは分かっています。メキシコも監督、コーチ、選手が団結している。集中して臨みたい」と意気込みました。
「今季在籍した日本のプロ野球チームから唯一の選出」という視点では、ロッテのチェン投手も同じです。
プレミア12の会場の一つが、ロッテ本拠地のZOZOマリンスタジアム。練習をした際は、他の選手たちに球場の特徴を教える姿が見られました。
「マウンドや強い風のこと、落ちる球種が有効であることなどをアドバイスしました」とチェン投手。来年の東京オリンピック出場権をかけた戦いですが、「プレッシャーはなく、楽しみ」と言います。
侍ジャパンの初戦の相手・オーストラリアには、2017年にオリックスの育成選手だったジョージ選手がいます。
陽気な性格で、取材の際は時折「イツモ、ゲンキ」などと、日本語を交えて答えてくれました。
10日は、その前に練習していた日本の吉田正尚選手のバッティング練習に釘付け。オリックスから侍ジャパンに来ているスタッフの方々と話す様子も見られました。「2年間もの長い間、お互いに会えなかったから、うれしかったよ」
取材の最後は、初対面の記者とも握手を交わしました。
2次ラウンドに進んだ6チームによる公式練習を午前中から日が沈むまで見ていて気付いたのは……
「オリックスの選手が多い」(ちなみにジョージ選手は、ディクソン投手がアメリカ代表にいることを知らなかった…)
台湾代表の右腕・張奕投手も、その一人です。
巨人の陽岱鋼選手のいとこにあたり、2016年秋、外野手として育成契約でオリックスに入団。投手に転向し、今年5月に1軍の試合に出られる支配下選手契約を結ぶと、8月には初先発で初勝利を挙げました。
その他、台湾には日本ハムの王柏融(ワン・ボーロン)選手。
1次リーグで敗退してしまったドミニカ共和国には、元楽天のペゲーロ選手。キューバは日本シリーズを制したソフトバンクから、モイネロ、グラシアル、デスパイネの3選手。カナダは、巨人で8年間プレーしたマシソン投手がいました。
これまでメンバーがいれば、なんだかもう1チーム作れそう。
キャッチャーはいませんが……。
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