話題
C.C.レモンから「C」が消えた? がんを治せる病気に、deleteCが始動
炭酸飲料「C.C.レモン」のラベルの「C」が消された商品が数量限定で販売されます。
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炭酸飲料「C.C.レモン」のラベルの「C」が消された商品が数量限定で販売されます。
炭酸飲料「C.C.レモン」のラベルの「C」が消された商品が数量限定で販売されます。みんなの力でがんを治せる病気にしようというプロジェクト「deleteC」(deleteは削除、CはCancer〈がん〉の頭文字)に関連する取り組みです。実現までの経緯を取材しました。
ビタミンCたっぷりを売りに1994年に発売されたC.C.レモン。
ラベルに書かれた商品名の「C」の部分に線を引いて消した商品が、来月12日に発売されます。
売り上げの一部が、がんの治療研究に寄付されるこの取り組み。今月20日に本格始動する特定非営利活動法人「deleteC」が関係しています。
deleteCは今年2月に発足。個人、企業、組織、立場を超えて応援できる仕組みをつくり、「みんなの力で、がんを治せる病気にする」ためのプロジェクトです。
具体的な取り組みとしては、企業・団体が自身のブランドロゴや商品、サービスからCancerの頭文字である「C」を消して、オリジナル商品やサービスを開発・販売。
それをユーザーが購入・利用することで、売り上げの一部が、がんの治療研究に寄付されます。
現時点で15を超える企業・団体が賛同。寄付対象のがん治療研究は公募し、専門的知見を有する医師やプロジェクト参加企業、deleteCのメンバーたちでつくる選考委員会が決定するそうです。
deleteC側から相談を受けて、C.C.レモンのCを消すことを決めたサントリー食品インターナショナル。
看板商品の名前を消すことについて、ジャパン事業本部ブランド開発事業部の課長・阿部泰丈さんはこう話します。
「ロングセラーブランドであるCCレモンのブランドロゴは、とても大事なものです。一瞬戸惑いはありましたが、今までにないロゴを消すというアイデアは逆に面白いかもしれない、と思って企画に乗りました」
サントリー食品インターナショナル以外の賛同企業でも、「C」を消す取り組みがいくつか決まっているそうで、詳細は20日に東京都内で開催するイベントで発表するそうです。
deleteCの代表理事は2人。そのうちの1人である中島ナオさんは31歳の時にがんと診断されました。今回のプロジェクトへの意気込みについて、こう語っています。
「『がんを治せる病気にすることを、あきらめない』という想いとともに、誰もが参加できて、みんなでがんの治療研究を応援できる仕組みを日常に届けていきます。1日でも早く、1つでも多くの研究が私たちのもとに『治療』として届くよう、2020年2月1日には医師やがん経験者を含む選考委員会が選んだ研究に対して寄付をお渡ししていきます。応援の輪が広がれば広がるほど『みんなの力で、がんを治せる病気にする』明日がきっと訪れることを信じています」
もう1人の代表理事・小国士朗さんは、認知症の人がホールで働く「注文をまちがえる料理店」の発起人で、今回のCを消すアイデアの発案者です。
「去年の11月にこのアイデアを思いついた瞬間、世界の見え方が変わったような気がしました。自分にとって遠かった、がんというテーマがものすごく身近に感じられました。そして今回、たくさんの企業・団体・個人の方々が参画してくれたことによって、ただの“絵空事”だったアイデアが現実のものとして動き出そうとしています。寄付という行為を特別なものにするのではなく、無理なく、そしてちょっとおもしろく、日常生活の中に溶け込ませられるように、たくさんの人たちと一緒にこのプロジェクトを育てていければと思っています」
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20日13時から丸の内ビルディング1Fマルキューブで開催されるイベントでは、ラグビーワールドカップ日本大会や丸の内エリアを盛り上げるための「丸の内15丁目PROJECT」とコラボ。ラグビー選手とのトークセッションや、がんの治療研究への寄付を募る予定です(予約不要、参加無料)。
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