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ヤンキースタジアムで記者が見た、ももクロの魅力 雨が降っても……
人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が5月28日(日本時間同29日)、アメリカ・ニューヨークのヤンキースタジアムを訪れ、田中将大投手の先発登板をスタンドから観戦しました。サプライズあり、アクシデントあり、奇跡ありの濃い1日。ももクロのライブに数度、足を運んだことのある記者が、彼女たちの魅力を探りました。(朝日新聞スポーツ部記者・井上翔太)
試合前の練習時間中、ももクロがヤンキースのベンチから姿を現し、グラウンドに立ちました。
日本メディアだけでなく、米メディアも「Momoclo、Momoclo」と興味津々で、チームの広報部長も、一緒に記念撮影する事態に。
「こんなすごいところで私たちの曲が流れてるんですか!?」
「実感がわかない」と、本人たちもテンション上げ上げ。
田中投手の背番号「19」が入ったピンストライプのユニホームが4人にプレゼントされると、ちょっとしたサプライズが待っていました。
球場内に、田中投手の登場曲が流れたのです。
4人は歌詞を口ずさんだり、振り付けを踊ったりした後、放送室にいたスタッフに向けて、大きく手を振って喜んでいました。
つい応援したくなるメンバーの「いい人感」は、応援している姿や取材への受け答えからも、ビシバシと伝わってきました。
ヤンキース対パドレスの試合中盤、にわか雨が降ってきました。元々この日の天気予報は悪く、遠くの空では雷も光るほど。ももクロが座っていたのは屋根がない席だったため、チームの関係者から事前に「もし雨が降ったら、奥のレストランに移動するかも」という話を聞いていました。
しかし実際は、一時的に屋根の下に移動しただけで、その後レインコートを着たり、傘を差したりして、声援を送り続けたのです。田中投手だけでなくて、ヤンキース打線にも。サンチェス選手のホームランや、ラメーヒュー選手の2点タイムリーに、一喜一憂していました。
日本ではライブや始球式などで、各地の球場を訪れているももクロ。しかしメンバーとしてヤンキースタジアムを訪れるのは、初めてのことでした。内心ドキドキしながら「日米の野球場の違い」を質問すると、玉井詩織さんと高城れにさんが答えてくれました。
「売店のごはんの量が、すごく多いですよね。私は前にヤンキースタジアムに来たことがあるんですけど、そのときは選びきれないぐらいご飯がいっぱいあったので、いいなあと思いました」(玉井)
「球場の周りもフレンドリーな雰囲気。球場の周りを歩かせていただいたんですけど、みんなが『ピクチャー!ピクチャー!写真撮らせて』って言ってきてくれたので、人気者になった気分でした」(高城)
記者が知人にももクロを勧めたところ、見事にはまったのは、全員が女性でした。
しかもみんな「あーりん推し」(→あーりんは、佐々木彩夏さんの愛称)。あーりんと言えば、試合中に「アーリンの奇跡」が起きたのも、大きな出来事でした。
田中投手の応援と、野球観戦について、玉井さんは「私たちの家族がライブを見に来ている感覚と、ちょっと似ているのかな」と表現しました。
リーダーの百田夏菜子さんは「自分たちのライブは、どんな会場でもすごく緊張するんですね。いろんなプレッシャーや思いがあるんですけど、そんなときにマウンドに立っているマー君を見ると、『マー君は世界で戦っているんだな、どれぐらいのプレッシャーなのかなと』思う。そういう姿を見て、私たちも頑張ろうと思います」。
観戦だけでなく、投手が立つマウンドと、ライブを行う舞台の雰囲気も似ているようです。ちなみに取材中は、ももクロの4人を前に足が震えそうになるのを色んな筋肉を使って必死におさえていたため、翌日、筋肉痛になりました。
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