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電車みたいな自販機?…と思ったら本当に元電車だった! 東京メトロ
2月下旬、東京メトロ銀座線の溜池山王駅に「世界に1台の自販機」が設置されました。
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2月下旬、東京メトロ銀座線の溜池山王駅に「世界に1台の自販機」が設置されました。
2月下旬、東京メトロ銀座線の溜池山王駅に「世界に1台の自販機」が設置されました。引退した車両「銀座線01系」のパーツを使って作られているのです。どのような経緯で設置されたのか? 東京メトロ広報部の担当者に話を聞きました。
1984年1月から営団01系電車として営業運転を開始した銀座線01系。
2004年の営団民営化にともなって東京メトロに継承された車両で、2017年3月に最後の30編成が銀座線で営業運転を終了しました。
そんな車両のパーツを使って作られた自販機が「THE VENDING TRAIN」です。
筐体自体を車両の素材で作ったわけではありませんが、実際に01系車両で使われていたパーツを複数配置。
上部には「溜池山王」と書かれた行先表示器(方向幕)、真ん中部分には「01626」という記された車号銘板、ごみ箱部分には東京メトロのシンボルマーク「ハートM」が取り付けられています。
車両の「定員」「形式」「重量」を表す銘板も付いていますが、こちらは実物を加工して設置。車両時代は120人だった定員を、自販機なので1人にするなど細かい点までこだわっています。
銀座線01系の先頭車両をイメージしたラッピングが施されていて、商品購入時に正面下にあるフロントライトが点灯する仕掛けもあります。
加えて、東京メトロ現役車掌の音声が流れる「ボイス機能」も搭載。
人が近づくと「今日も『THE VENDING TRAIN』をご利用いただきましてありがとうございます。お金のかけこみ投入は、おやめください」と声が流れます。
商品取り出し口の扉を開けると「おつりの取り忘れに、ご注意ください。足元にご注意ください。出口は下側です」。
商品を取り出すタイミングでは「『THE VENDING TRAIN』をご利用のお客様にお願いいたします。一人でも多くのお客様がお買い求めになれるよう譲り合ってご利用ください」といった具合で、全5パターンあるそうです。
この自販機は、東京メトロとサントリーコーヒー「BOSS」のコラボレーションで実現したといいます。
“東京で働く人々”を支える東京メトロと“働く人の相棒”のBOSSが、働く人たちを応援するという企画の一環で、2020年3月31日まで設置予定です。
なぜBOSSとコラボして自販機を作ったのか? 東京メトロ広報部の担当者はこう説明します。
「サントリーブランドには弊社の車内広告、駅広告媒体を使用したプロモーションを頻繁に実施していただいております。東京メトロとBOSSの『働き続けるあなたに。おつかれさまです。』というメッセージを訴求していきたいと思いました」
昭和・平成と2つの時代を走り続けた銀座線01系。「退職」後に自販機として「再就職」するまでの過程をドキュメントタッチで描いた動画も制作されました。
「動画の主人公は車両という『モノ』ですが、ともに働き続けた東京メトロの車掌たちにとっては『仲間』も同然です。そんな特別な存在の再就職にあたり、元『同僚』の車掌たちがエールを送る物語を通じてメッセージを訴求しています」
この自販機を「使ってみたい」という人たちに向けては、こんなメッセージを送ります。
「『THE VENDING TRAIN』をご利用いただきたいお客さまへご案内いたします。普段、東京メトロをご利用のお客さまも、ご旅行で東京へお越しになったお客さまも、ぜひ溜池山王駅の『THE VENDING TRAIN』でサントリーコーヒー『BOSS』や、その他の商品をお買い求めになっていただき、ホッと一息ついていただけますと幸いです」
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