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学校靴の定番「ジャガーΣ」 みんな履いてた名作は今…販売元に聞く
「ジャガーΣ」という靴を知っていますか?
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「ジャガーΣ」という靴を知っていますか?
友だちが履いていた学校靴の定番「ジャガーΣ」。側面のΣマークが印象的な軽量シューズで、来年で発売40周年を迎えます。あの名作が現在どうなっているのかを取材すると、ほぼ当時と変わらない商品や、現代風にアレンジされたオシャレな新作が存在することがわかりました。
ジャガーΣを販売しているのはムーンスター(本社・福岡県久留米市)です。
1952年にはヘルシンキオリンピックに出場するマラソン選手に競技用シューズを提供。
その後、ランニングシューズだけでなくバスケット、テニス、ゴルフ、野球などのスポーツシューズも展開しました。
それらを集約するカテゴリーとして1973年に誕生したのが「ジャガー」シリーズで、初めてΣを冠したのが「ジャガーΣ01」(1980年)でした。
軽量性に特化した点が最大の売りで、当時としては画期的な1足175g(サイズ25cm)の軽さを実現。
独自開発の発泡ウレタンソールは、軽さがありながら耐摩耗性も確保し、衝撃吸収性にも優れていました。
Σ01と同じ年に「Σ02」も発売されていますが、こちらは側面にΣマークが入っていませんでした。
そして2年後の1982年には「Σ03」と「Σ04」を発売。
Σ03は紐ではなく「面ファスナー」でフィット感を調整するタイプで、Σ04は最もポピュラーな学校靴タイプです。
以降もΣシリーズのラインナップは拡大し、「Σテニス」や、5000万足突破を記念した「Σ5000リミテッド」といった商品も発売されました。
現在残っているのは、Σ03、Σ04、Σ04CL(素材がスムース合皮)、Σセーフ06(反射材付き)の4商品。
Σ03とΣ04については、見た目は変わっていませんが、使用する素材や配合バランスなどの改良を重ねているそうです。
ジャガーΣといえば学校指定靴のイメージが強いですが、なぜそうなったのか? ムーンスターの広報担当者に尋ねるとこんな答えが返ってきました。
「資料としては残っていませんが、1950~60年代ごろから上履きを展開していて、学校用品を販売する小売店とのつながりがあって販売先として多かったこと、比較的低単価で安定的な品質の商品を提供できたことが理由と推測されます」
販売先のつながり以外にも、生徒の動きにあったもの、華美でないもの、ある程度の耐久性があってそれに見合った価格であるもの、といった条件に合っていたことも理由のようです。
βやγを冠したシューズは存在しないそうですが、なぜΣだったのか? その由来についても尋ねました。
「定かなものは残っていませんが、ジャガーシリーズの中でも画期的な軽量性を実現したので、何か新しいイメージのΣを使用したと推測されます」
そして、こう付け加えます。
「当時のカタログに『精悍(せいかん)さとスピード感を表現したΣライン』との記載にあるように、デザイン上のイメージもあったようです。Σのマークでシューホールから靴底までつなぐことで、補強の役割としても理にかなったマークだといえます」
今でも中高生の通学履きとしての需要があるというΣシリーズ。
シンプルなデザインや、軽さと着脱の容易さなどから、大人世代や年配者の普段履きとしても人気だといいます。
昨年からは、現代風にアレンジした「SK SIGMA」も販売。
Σ04をベースにしながら、シルエットや素材、カラーリングを一新した、懐かしさの中にどこか新しさを感じる商品です。
そんなΣシリーズの魅力について、広報担当者はこう話します。
「学生のころ、何げなく履いていただいていた方も多いと思いますが、開発当時に研究を重ね、今も大きく変える必要がないほど機能的に考えられた商品です。軽さや耐久性、履き心地の良さ、国産で品質の良さなど、身に着けるもので40年近く変わらず存在する商品も珍しいのではないでしょうか。『学生の靴』というイメージが強いかもしれませんが、ぜひもう一度足を入れてみてほしいです」
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