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広末涼子さんが、インスタをしない理由「ミステリアス部分を……」
「ポケベルの子」と呼ばれ人気を呼んだ広末涼子さんですが、ツイッターやインスタグラムは使っていません。その理由は、高知の少女時代、あこがれ続けた女優への思いがありました。平成が終わり、40代を迎えようとしている今、「しっかり年を取っていけば良い」と考えています。広末さんの「第2ステージ」を聞きました。(朝日新聞高知総局記者・加藤秀彬)
――ポケベル、携帯電話世代の象徴となったが、近年流行しているツイッターやインスタグラムは活用していません。
「時代には反していますが、女優さんへのあこがれが小さいころから強かったので、一般人とは違う神秘性とか、ミステリアスな部分、生活感が見えないあこがれが私自身、女優さんに対してあります」
「女優さんだから全てをオープンにしなくてはいけないとは思っていません。みなさんブログで生活を出したり、お子さんを見せたりすると思いますが、それが見えない方が女優としては私個人への予備知識が影響を及ぼす危険性がないという意味で良い」
「あまり私のことを知ってもらうと、先入観が生まれるじゃないですか」
――平成が終わり、次の時代には40代を迎えます。
「平成が約30年ということは、中学校に上がる前からずっと平成です。ちょうど夢のきっかけをつかみ、走り抜けて、今やっと立ち止まって景色を見ているような時です。次が本当に第2ステージだなと思います」
「走り抜けていたのは10~20代前半ですが、そこからも仕事だけではなく、人生の分岐点がたくさんある中で、やっと今立ち止まって振り返るような時期が来ている気がしています」
「(映画「ゼロの焦点」の)犬童一心監督に、『広末さんは年相応の役ができる女優さんだから、またご一緒しましょうね』と言われました。最初は意味がわからず、どういう意味かなと思いました。つまり、『おばあちゃんになったらおばあちゃんの役ができる女優さんですね』と言っていただいたのだと思います」
「私は当時、女優さんはきれいでいなければとか、年をとったらどうなるのだろうという不安がありました。しかし、演技を続け、人生を歩んでいくことで、50代になったら50代の女性を演じれば良いし、おばあちゃんになったらおばあちゃんを演じれば良いんだと気がつきました。これはすごく褒め言葉だなと」
「アイドルだからずっとアイドルでいなければいけないのではなく、しっかり年を取っていけば良い。そう思うとすごくうれしくて、最高の褒め言葉だと思いました。そんな女優にこれからなりたいと思います」
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広末涼子(ひろすえ・りょうこ)1980年、高知市生まれ。94年、クレアラシルのCMでデビュー。97年、「MajiでKoiする5秒前」で歌手デビュー。「鉄道員」「おくりびと」「ゼロの焦点」など数々の映画やドラマに出演した。
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