【動画】栗焼酎を預けることができる四万十川焼酎銀行=菅沢百恵撮影
銀行の建物で熟成
四万十川焼酎銀行のすぐ近くにある「無手無冠」の本社=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
列車を乗り継ぎ2時間
銀行の建物を再利用した四万十川焼酎銀行=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
「うちは結構な高金利なんですよ」
四万十川焼酎銀行の「預貯酎」通帳の見本=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
銀行移転、建物を買い取る
「預貯酎」の通帳と焼酎を入れる美濃焼のつぼ、「利子」として支払われる小瓶の焼酎=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
「四万十ミステリアスリザーブ」がヒット
四万十川焼酎銀行の窓口=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
いよいよ味見「こ、これは……」
記者が新規に開設した「預貯酎」の通帳=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
ここでしか変えないプレミア感
「寝かせると味がまろやかになります。子どもの成人式などお祝い事にもぜひ」と橋本さんは話します。大切な人へのプレゼントやお祝いの日にもぴったりです。
預貯酎は来店して口座を新規開設すると、自分で好きな文字や絵をつぼに書き込むことができます。私も日時と名前、笑顔のにっこりマークを書き込みました。山あいの小さな地区にこんなに魅力的な名所があったとは。訪れる人もきっと笑顔になるに違いありません。
預け入れが2年以下のものや発送を待つ焼酎を貯蔵する書庫=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
取材を終えて
聞くとどうやらお金ではなく焼酎を預け入れるシステムらしい。「どういうこと!?」と最初は少しいぶかしみました。
家で晩酌をしながらスマホで検索すると、預け入れのシステムや通帳などの小道具にもこだわっていることがわかりました。
「よく作り込んでいるなあ」と感心すると同時に、「酒好きの高知県らしいユニークな発想」に吹き出してしまいました。
記者が新規に開設した「預貯酎」の通帳の表紙=高知県四万十町大正、菅沢百恵撮影
日本酒を一つのおちょこで相手と酌み交わす「返杯」も、当たり前の文化として根付いています。
そんな日本酒が大好きな土地で、焼酎も負けずと頑張っていることを伝えたくなり、取材を開始しました。
四万十川焼酎銀行は、閉鎖された銀行の支店を地元の人が再利用して、地元で造る焼酎を商品として独創的なアイデアで売っています。
一方、「焼酎銀行」がある四万十町に限らず、地方では中心街や商店街の空き店舗がどんどん目立ち、活気がなくなっています。
「焼酎銀行」は地区に空き店舗が増えるのを食い止めただけではなく、外からもお客さんをたくさん呼び込んでいます。
莫大なお金をかけて特別な施設や商品を新しく作ったわけではありません。
新しい観光スポットとして来店する人もいますし、インターネットで注文するだけの人もいます。
土地の名産品に、ユニークな発想を加わることで、ブランド価値を生み出す。「焼酎銀行」の成果は、地方の活性を考える上で大事な取り組みになると感じています。
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窓口ではダバダ火振など通常の焼酎も販売しています。口座開設や問い合わせはホームページ(http://www.40010shochu-bank.com/)もしくは四万十川焼酎銀行(0880・29・4800)へ。

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