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映画館での「マナー違反」をアートに 手のひらサイズで遠近法も駆使
映画のエンドロールで余韻に浸っていたら、前席の人のスマホの明かりが気になって……。
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映画のエンドロールで余韻に浸っていたら、前席の人のスマホの明かりが気になって……。
映画のエンドロールで余韻に浸っていたら、前席の人のスマホの明かりが気になって……。映画館でそんな経験はありませんか? あの状況を手のひらサイズで立体化した作品が、ネット上で注目を集めています。制作の経緯について作者に話を聞きました。
今月14日、「『スタッフロールが流れ始めると、すぐにスマホをいじるやつ』つくりました。。。」という文言と一緒にツイッター投稿された4枚の画像。
写っているのは、プラスッチック板で再現された映画館の内部で、観客が大勢座っています。
薄暗い館内ですが、スクリーンだけでなく客席の真ん中付近にも、ポツンと明かりがともっています。どうやら、本編が終了した途端にスマホ画面を確認している人を再現しているようです。
この投稿に対して、「久しぶりにシネコンに行きましたが遭遇しました」「どれだけ面白い映画でも台無しになった気がします」「これ絶対広めるべきです」といったコメントが寄せられ、リツイートは4万、いいねは12万を超えています。
「スタッフロールが流れ始めると、すぐにスマホをいじるやつ」つくりました。。。 pic.twitter.com/hoTf2fXUe2
— 現代美術二等兵ふじわら (@f2touhey) 2018年11月14日
作者は、アートユニット「現代美術二等兵」のメンバー・ふじわらかつひとさんです。完成までの経緯について話を聞きました。
――この作品を制作しようと思ったきっかけは
いつも、いろいろなものを作っていまして、このシーンも「うまくまとまりそうだな」と思ったので作りました。
――ぶじわらさんご自身、映画館でこのような経験をしたことは?
ありますね。SNSなどでさんざん言われているのに、まだいるなぁという感じです。「あるある」の立体化です。
――座席や観客など、すべて手作りですか
劇場と座席はプラ板からの手作りで、観客は市販されているフィギュアです。おそらく鉄道模型用だと思います。
中心で光っているスマホの明かりは、ホビー用の小型LEDランプです。かなり小さい長方形ですので、そのままスマホ画面として使用しています。
――制作する上で心がけた点は
最少の作業でイメージを再現できるように簡略化しています。簡略化してもきちんと見えるように、壁、座席、人物は違うグレーで塗装しています。
苦労したのは、うまく光が撮影できなくて、LEDライトや部屋の照明を調整して何度も撮った点です。
後ろに行くにしたがって、座席を少しずつ大きくしてパース(遠近法)をつけている点にも注目してください。
――作品が話題になったことについては
「アホなもん作ってる人がおる」と思ってもらえたら。コメント欄でいろいろ意見が交わされていますが、我々の作品は、それをネタにあれこれ話してもらうコミュニケーションツールでもあると思っていますので、いいんじゃないでしょうか。
◇ ◇ ◇
12月8日から24日まで、京都市のVOICE GALLERY pfs/wで開催される現代美術二等兵の個展「たどり着いたらいつも駄美術」で、この作品も展示されるそうです。
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