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グルメ

毎年騒ぐ「ボジョレーヌーボー」って結局何? 価格様々、年内に!

目次

サラリーマンの日々をキャラ化した「城崎広告」のメンバーが日頃感じている疑問を、withnews編集部がフカボリ取材する「会社員のモヤモヤ」。49回目は「ボジョレーヌーボー」についてです。
城崎広告
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今回の登場人物

夕永俊介
企画部所属の30歳。鋭い視点の持ち主でデータ分析やコンセプトデザインが得意分野。趣味はひとりキャンプと植物画。

 

水上芳樹
企画部所属の33歳。妥協を許さぬ審美眼の持ち主で、広報やアートディレクションでも手腕を発揮。趣味はおうちエステと観劇。

 

猫渕渉
42歳の企画部部長。長年の経験で築いた人脈とそつのない仕事ぶりに定評あり。趣味は読書、お酒、料理。

 毎年11月の第三木曜はボジョレー・ヌーボーの解禁日。今年は11月15日に解禁されます。
 毎年、味が違うため、キャッチコピーも違っており、いろいろなメディアでも取り上げられています。2017年のキャッチコピーは「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」でした。2016年は「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」など。

 

猫渕

この時期になると、気になっちゃうんだよねぇ。

 

夕永

おれも普段はあまりワイン、しかも赤はあまり飲まない方ですが、わかります。

 

水上

購入予約や解禁に合わせたイベントも盛んだからね。
個人的にはワインはお祭り騒ぎよりも、ゆったりと向き合って楽しみたいんだけどな。

 

夕永

ワイン自体、お酒のなかでもいろいろなエピソードや歴史があって難しいイメージですからね。
ボジョレー・ヌーボーも名前は知っていますが、その実態まではなかなか……

 

猫渕

それじゃ、ちょうどいい機会だし、今回はこのテーマでお話を伺おうか。
普段からワインはあまり飲まない…という人もせっかくなので今年は挑戦してみてはいかがでしょうか? 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートでワインサイトなどで執筆しているライターの川上酒乃さんにおいしい飲み方を聞きました。
川上 酒乃さん
 

ボジョレーヌーボーとはボジョレー地方の新酒

 

猫渕

川上さん、本日はよろしくお願いしますね。

 

夕永

本日は、この時期になるとよく耳にする「ボジョレー・ヌーボー」についてお話を伺いたいのですが。

 

川上

よろしくお願いします!

 

川上

そもそもボジョレー・ヌーボーとは…という話ですが、フランスのブルゴーニュ地方南部にあるボジョレー地区の新酒(ヌーボー)のことを言います。

 

水上

地方の名前を冠した一群のワインですね。
ということは、使用されている品種も決まっているのでしょうか?

 

川上

はい!

ガメイという黒ブドウ品種を使用し、早く飲めるようにするための製法「マセラシオン・カルボニック」が採用されています。
このため、寝かせずにすぐ飲んでも美味しく楽しめます。

 

猫渕

特別な作り方をしていたんですね。知らなかったなぁ……
赤ワインといえば熟成というイメージもありますが、ボジョレー・ヌーボーは例外なんでしょうか?

 

川上

寝かせられないこともないですが、基本的には年内に飲むことをオススメします!

 

夕永

フレッシュさが大切なんですね。
価格はどうでしょうか?
コンビニでも買えるので手ごろなイメージはありますが。

 

水上

うーん、空輸している分、割高な印象もあるけれどね。
ボジョレー・ヌーボー初荷 関西空港 (2017年10月)
ボジョレー・ヌーボー初荷 関西空港 (2017年10月) 出典: 朝日新聞社

 

川上

価格帯はだいたい2,000円から3,000円のものが多いですが、ドン・キホーテで昨年、600円ほどのボジョレー・ヌーボーが販売され話題になりました。
最安値を打ち出すため、ドン・キホーテでは解禁直前に価格を発表した
最安値を打ち出すため、ドン・キホーテでは解禁直前に価格を発表した 出典: 朝日新聞社

 

猫渕

600円!
それはすごいですね。

 

川上

高級なものでは、古樹からのブドウだけを使用して醸造したもので8000円以上することもあります。

 

水上

香りや味わいの特徴も教えてください。

 

川上

香りはイチゴキャンディーやクリーミーさを欠いたバナナなど製法による香りが特徴的で、他にもラズベリーなど赤系のフルーツの風味があります。

 

夕永

ワインならではの表現ですね……おれのような初心者にはイメージするのが難しいですが……フルーツ、というキーワードは飲みなれていない人にも魅力的に響きそうですね。

 

川上

はい!非常にフレッシュで軽いため、ワイン初心者の人にも人気です!
出典: 朝日新聞社

 

猫渕

うんうん。
日本でよく飲まれる赤ワインとは少しイメージが違うんですね。

 

川上

日本ではボジョレー・ヌーボーと対極の存在であるボルドーワインの人気が高いです。

しかし、初心者の人が飲む場合は、温度管理や空気を含ませながらデキャンタに注ぐという手順が大変で、さらに飲み頃には達していない若いワインを開けてしまうと渋さや苦味が際立っており美味しく飲めないため、実はハードルが高い存在です。

 

水上

せっかくのボルドーが、飲み方ひとつで残念なことになってしまった経験は……僕にもありますよ。あれは惜しかったな……

 

夕永

やはりワインは難しいというイメージ通りですが……ボジョレー・ヌーボーは違うんですね。

 

川上

ボジョレー・ヌーボーはその点、気軽で難しくはないので飲み慣れていない人でもおいしく飲むことができるワインといえます。

 

猫渕

間口が広いんですね。そういえば、ボジョレー・ヌーボーが日本で人気になったのって、いつ頃からでしたっけ?

 

川上

ボジョレー・ヌーボーが日本でブームとなったのは1987年ごろからです。
バブルの真っ最中で、高級ワインブームと同時に人気が高まりました!
出典: 朝日新聞社

 

猫渕

あー……そうでしたそうでした。ちょっと懐かしいですね。

 

川上

日付変更線の関係上、フランスよりも先に日本で解禁日が訪れるため、その「特別感」がワイン愛好家の好奇心に火をつけました。

 

夕永

なるほど、だから解禁直後の深夜にパーティをするんですね。

 

川上

そして、日本はボジョレー・ヌーボーの最大の輸入国となりました。
毎年、解禁日の0時を待って、多くの人が各地でパーティーを開くという騒ぎになっているのはご存じの通りです。
ヌーボーと水戸ワインに舌鼓
ヌーボーと水戸ワインに舌鼓 出典: 朝日新聞社

 

水上

そうはいっても、一時期に比べるとブームが落ち着いた印象もありますが。

 

川上

そうですね。
輸入量については2004年が最大で、現在ではその半分ほどになっています。

また、ボジョレー・ヌーボーを過度に称賛したメディアに異を唱えるソムリエの中には、あえて飲まない、そしてお客様のためを思って売らないという人もいます。

 

猫渕

ええ、そういう意見もきいたことがあります。
個人的には、毎年季節の風物詩として楽しませてもらってますよ。

 

夕永

ボジョレー・ヌーボーといえば、その年の出来栄えを評価するコメントも話題になりますよね。
今年はどうなんでしょうか?

 

川上

2018年のボジョレー地区はとてもよい気候に恵まれたそうなので、個人的には解禁が楽しみです。

おすすめの種類とは

 

川上

では、具体的におすすめの種類についてですが…実際に去年10本以上試飲して美味しかったものを生産者別に2本紹介します。

 

夕永

是非、よろしくお願いします。

 

川上

<アンリ・フェッシ>
女性に人気なアンリ・フェッシ。去年は「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー・アンフォゲッタブル」と「ルージュ・バブルス・ヌーヴォー」を飲みました。

 

川上

さらりとした飲み心地ながら、タンニンと酸味のバランスが絶妙で柔らかいベリーの香りにうっとり!
実は毎年飲んでいたもののボジョレー・ヌーボーに対してあまりいい印象がなかったので、こんなに美味しいボジョレー・ヌーボーあることが驚きでした。

 

猫渕

おおっ、ボジョレー・ヌーボーのイメージを一変させるほどの味と香りですか。
ぼくも探してみようかな。

 

川上

2本目がこちら

<タイユヴァン>
パリの三ツ星ホテル「タイユヴァン」がリリースしているもので、昨年は「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー ヴィエイユ・ヴィーニュ」を飲みました。

 

川上

これも、私のボジョレー・ヌーボーへの見方を変えてくれた1本です。
驚くほどフルーティーでコクがあり、ボジョレー地区で最高級の品質を誇るクリュ・デュ・ボジョレーに負けないほどの味わいでした。多くの人から高い人気があります。

 

猫渕

フルーティさとコクの両立、かなりレベルが高そうですね。

そんなボジョレーヌーボー、おすすめのおつまみは軽め

 

夕永

もう一つ伺いたいのが、ボジョレー・ヌーボーにあうつまみや料理なんですが。

 

川上

ボジョレー・ヌーボーに合わせて楽しんでいただきたいおつまみは、鶏肉を使用した料理やトマトソース系のパスタ、生ハム、熟成があまり進んでいないナチュラルチーズ(白カビやシェーブルなど)など。

 

水上

肉料理でも軽めのもの、パスタやチーズもシンプルでベーシックなものが良いんですね。

 

川上

ワイン自体が軽めなので、料理も重めよりは軽いものの方が合わせやすいでしょう。

 

猫渕

そういった料理との相性も含めて、気軽に楽しめるのがボジョレー・ヌーボーの魅力ですね。
そうはいっても、温度など気をつけるべきところはありますか?

 

川上

ワインはそれに合った温度でないと本来の美味しさを味わうことが難しくなってしまいます。
温度が高過ぎるとぼやけた味になり、低すぎれば酸味や苦味が際立ってしまうことにも……

 

夕永

ボジョレー・ヌーボーを美味しく飲む温度管理のコツを教えてください。

 

川上

冷蔵庫に入れている場合は、飲む少し前に出しておいて、温度を上げると美味しく飲めます。

 

水上

それなら手軽に実践できますね。
ふふ、今年のボジョレー・ヌーボーが楽しみになってきましたよ。

 

川上

普段ワインを飲まない人も、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?
今年の解禁日をより楽しく過ごせることを願っています。

 

猫渕

ありがとうございました。
さて、まだ予約は間に合うかな?

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