話題
人気が出たら生産中止! 「ドッキリ蛇口」が話題、大阪の会社に聞く
やかんの形をした蛇口や、上下逆さまに取り付けられたように見えて意外な部分から水が出る蛇口――。
話題
やかんの形をした蛇口や、上下逆さまに取り付けられたように見えて意外な部分から水が出る蛇口――。
やかんの形をした蛇口や、上下逆さまに取り付けられたように見えて意外な部分から水が出る蛇口――。今月に入ってネット上で話題になっているこれらの蛇口は、いずれも同じ会社が制作したものです。「人気が出たら生産中止」という方針でものづくりを続けている会社を取材しました。
ツイッターで話題になっている、上下逆さまに取り付けられたように見える蛇口。
下にあるハンドルをいくら回しても水は出ませんが、上向きになっているパイプをひねると、ハンドル部分から水が流れてきます。
こちらとは別のツイートで注目を集めているのが、小さなやかんの形をした蛇口。全体を傾けると注ぎ口から水が流れる仕組みになっています。
動画付きで投稿されたこれらの動画に対して、「蛇口だけにひねった発想」「自宅にほしい」といったコメントが寄せられています。
これらの蛇口を作ったのは、水道用品の製造・販売などを手がけるカクダイ(大阪市)です。
「Da Reyaシリーズ」と名付けられたシリーズで、手裏剣の形をした蛇口、水がたまって膨らんだように見える蛇口、異常にハンドルが大きい蛇口、などもあります。
おもしろ蛇口を制作する狙いについて、販売促進部広報課の課長・濱地亮さんはこう説明します。
「コンセプトは『親子の会話』です。飲食店のトイレや幼稚園などの手洗い場でこの商品を見た子どもたちが、『自分も作ってみたい』『中身はどうなってるのか』『自分ならこうしたい』と考えて、そこから親子の会話が弾むことを願って作っています」
Da Reyaシリーズの販売開始は2012年1月。現在約50種類があり、販売実績は累計約1万3000個にのぼるそうです。
このシリーズは、人気が出てもあえて増産せず、次々と新型を出しています。
「収益が出るほどたくさん売れた時点で、『一般的な蛇口=おもしろくない蛇口』になってしまいます。なので、一定数が売れたら生産中止とし、新型を作ります。不採算事業を整理して業績を確保するよりも、おもしろくした方が社会全体でハッピーになれる、と私たちは考えています」
また赤字が出ても続ける理由について、濱地さんはこう言います。
「今まで作ったことのない新しい形に挑戦することで技術力が向上しましたし、その結果、通常品の不良率低下や生産の効率化などを実現することができました。また、社員みんなのモチベーション向上、社内組織の活性化にもつながっています。そして何より、毎年新商品を楽しみにしていただいているお客様が大勢いらっしゃいますので、これからも頑張って続けていきたいと考えています」
製品が話題になったことについては、こう話します。
「Da Reyaに関わった人に『おもろい!』と感じてもらえ、SNSを通じてたくさんの方々にカクダイを知ってもらえる機会となり、大変ありがたく感じています。 販売数が伸びても赤字が増えるばかりですが、これからもみなさんを笑顔にできるよう、『おもろい蛇口』をつくり続けていきます」
1/32枚