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あなたの悩み聴かせてください SNS相談「中の人」ってどんな人?
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生きづらびっとは、毎日午後5時から11時までの6時間(受付は10時半まで)、みなさんからの相談を受け付けています。この記事のリンクやLINE内の検索から、アカウントの友達登録をしてもらうと、メッセージが送れるようになります。
相談には、毎日6人で対応しています。入れ替わりですが、20~40代の相談員が多く、それぞれが専門分野を持っているので、「自殺相談」「いじめ」「性被害」「LGBT」「依存症」など、様々な悩みに応えられる態勢になっています。
運営している社会的包摂サポートセンターはこれまで、「よりそいホットライン」という電話相談を続けてきました。生きづらびっとは、3月からスタートしましたが、電話では1割ほどだった20代までの相談者数が6割ほどに増えました。
毎日午後5時に相談の回線を立ち上げると、「しんどい」「消えたい」といった相談が寄せられます。相談員たちは、みなさんのつらい気持ちを受け止めています。そして受け止めるだけではなく、全国各地の連携団体や専門家と連携して、生きるために必要な支援をしています。
LINEでの相談を始めてから、学校のいじめで悩んでいる女の子がメッセージを送ってくれました。継続して相談を受ける人たちは適切な支援ができるよう、相談員がチームになってサポートしています。私たちはLINEや電話で彼女とやり取りを続け、抱えている悩みを少しずつ解きほぐしていきました。今では、前向きな方向へ向かってくれています。
相談の回線が埋まってしまうと、お待たせしてしまうこともあります。その時は本当に申し訳ありません。できるだけ多くの人たちのお話が聞けるように、相談員たちは日々改善を続けています。
私自身は、父親を自殺で亡くしています。父のように亡くなる人を1人でも減らすために、自殺を防ぐ活動を大学生のころから続けてきました。ほかの相談員たちも、経歴は様々ですが、生きづらさを抱えている人たちの気持ちが少しでも軽くなるように、そして前を向けるように、毎日相談を受け付けています。
「自分の悩みは大したことないんじゃないか」とは思わず、少しでもつらいことがあったら、その思いを聴かせてください。私たちが、待っています。
こんにちは。NPO法人「BOND(ボンド)プロジェクト」スタッフで広報の竹下奈都子です。今年で30歳になりました。大学を中退後、2009年NPO設立当初から活動に携わっています。
BONDプロジェクトでは「10代20代の生きづらさを抱える女の子のための女性による支援」として、LINE、メール、電話、面接での相談をはじめ、街頭パトロールや同行支援、一時保護などをおこなっています。
女の子たちが相談窓口までたどり着けない理由に、「自分の悩みがどの相談窓口に当てはまるのかわからない」「自分なんかが相談しちゃいけないんじゃないか……」と思い躊躇(ちゅうちょ)してしまうということがあります。私たちは「生きづらさ」という広い枠組みでやっているので、気軽に相談してほしいです。
現在LINE相談には、10~30代のスタッフ約10人で対応しています。より親近感を持って相談してもらえるんじゃないかなと思います。16~18歳からの相談が多いのですが、LINE相談を始めて小学校高学年や中学生の相談も増えました。メンタルや家族、いじめ、友達関係の悩みなど、毎月1000件ほど寄せられます。
文面だけでは分からないこともあるので、電話相談や面接相談につなげています。状況に応じて、北海道から沖縄まで直接行ってお話し、その地域の支援につなげることもあります。場合によっては、病院や警察、行政機関やその他支援機関等にスタッフが同行します。
LINEは相談数が多く受付時間も限られているため、全員の相談には応えられないこともあり、本当に心苦しく思っています。メール相談(hear@bondproject.jp)も月1000件を越えるため常に追いかけている状況ですが、24時間受け付けています。電話(070-6648-8318)でも毎週火・木・日曜日の午後4時から7時まで相談を受けているので、つながるといいなと思います。
私自身、10代20代の頃しんどさを感じていた時がありました。島根県で生まれ育ち、もちろん良い部分もありますが、窮屈さを感じていた部分もあり、地元を離れて自分の中でリセットしたいと思い関東に出てきました。
こうでないといけない「自分」というものが強くあり、周りが求める自分と自分が思う自分との差にしんどくなり、体調を崩してしまったこともありました。物事に集中できなかったり、過食になったり、人と会いたくなかったり……「死にたい」という思いが頭を支配してしまうときもありました。自分の事が嫌すぎて、それだけにとらわれてしまうこともありました。
でも、体調が悪いながらも、今が嫌でしんどいなら何かを変えていかないとと思い、出来ることから行動に移していきました。いろんな出会いや自分と向き合うことで、自分なりの生き方、過ごし方をなんとなく見つけられたのかなと思います。
10代の頃は特に、家と学校が中心で、第三者の「ナナメの関係」がなかなかありません。今がしんどいと、今目の前のことが全てだと感じ、その他の事や先の事もなかなか考えられないと思います。でも、これから先、何も変わらないということはないので、諦めないでほしいなと思います。
一人で抱え込まず、ため込まずに、よければお話聞かせてくださいね。
こんにちは。NPO法人OVA(オーヴァ)の代表、伊藤次郎です。33歳です。
私たちの事業では、Googleなどで「死にたい」といった言葉を検索した人がいたときに、その検索結果の上位に掲載される相談窓口を運営しています。9人の相談員がメールで相談に応じていて、昨年度は約180人の方の相談を受けましたが、相談してくださる方の8割は30代以下です。
現在の事業の中で、精神保健福祉士の資格を持つ私も相談を受けることがあります。その経験からお伝えしたいのは、「気持ちが落ち込むことも、問題を抱えることも、恥ずかしいことではなく、誰しもあることです」ということです。
そういう時は他者に相談し、周囲の力を借りながら問題を解決して行きましょう。 周囲に話をきいてもらえそうな人がいなければ、地域の相談窓口に相談してみるのも一つの方法だと思います。
私は高校生の頃、気持ちが落ち込み、死にたい気持ちがあった時がありました。
何に悩んでいたか、というと明確に説明するのが難しいですが、自分自身や人間社会について考えているうちに答えのない迷路に迷ったような感じでした。 当時の自分は「弱みをみせてはいけない」というような考えがあったと思います。周囲に打ち明けようという気持ちにはなれず、むしろ気づかれないようにふるまっていました。
数年後、ちょっとした話のいきさつで、年上の社会人の男性に今まで誰にも言えなかった心の内をきいてもらう機会がありました。話した時は、涙があふれて仕方がありませんでした。
相手の方はただきいてくれました。内面的なつらさを打ち明け、ただ、その気持ちをきいてもらうだけで、こんなに気持ちが救われるんだと思いました。
思春期の長かった心の危機も、こういった人の支えがあり少しずつ乗り越えて行くことができました。
10代の私は、相談する、他者に内面を打ち明けることは弱いことだ。よくないことだと思っていましたが、今は、自分の弱さを受け入れ、他者に伝えられることは一つの強さなのではないか、と思っています。相談することは、弱いことではありません。他者の協力をとりつけながら、自分の問題を解決していく、ということですから重要なライフスキルだとも言えます。
スマホなどから年間20万件の着信があるチャイルドラインには、四つの約束があります。「ヒミツは守るよ」「名前は言わなくていい」「どんなことも一緒に考える」「切りたいときには、電話を切っていい」です。チャット相談でも、この約束は引き継がれています。チャットが終わったら、記録は残りません。安心して、相談してきてください。
そして私たちは、悩みを無理に解決するようなこともしません。まずはみなさんの心に寄り添います。「つらかったね、苦しかったね」「いまはどういう気持ちなの?」。こういった言葉で語りかけ、みなさんの「心の居場所」を目指します。もちろん、支援を望んでいるならば、解決に向けて何ができるかを一緒に考えていきます。相談の専門分野があるわけではありませんが、だからこそ色々な悩みを受け止めることができます。
私は看護師をしていたのですが、小児科病棟を受け持ったとき、生きたくても生きられなかった子どもを何人もみとりました。だから、自ら死を選ぶ人たちには、いつもやるせない気持ちがあります。自死する人を1人でも少なくしたい――。仕事や子育てに区切りがついた15年ほど前から、電話相談のボランティアを始めました。
チャットの回線状況によっては、お待たせしてしまうこともありますが、できるだけ多くの人とやり取りができる工夫を続けていますので、つながらない時は時間をあけて、また連絡してください。電話(0120-99-7777)は毎日、夕方4時から夜9時まで対応しています。
気持ちをはき出せば、少しは楽になる。チャイルドラインは、みなさんの味方です。何かあったら、相談しやすい方法で連絡をください。
相談には、インターネット相談の研修を受けた「いのちの電話」相談員があたっています。チャット相談は今回で3回目ですが、昨年1年間のメール相談では20代以下の利用が55%ありました。電話相談では1割程度ですので、大きく差が現れています。
ネットでの相談では気持ちを聞いてもらうだけではなく、問題解決のための具体的なアドバイスが求められることも少なくありません。多様な相談の中には、法律など、ある程度の知識が必要な相談も寄せられています。
利用者が置かれている状況を正しくまたより深く理解するために、専門家の助言を受けて対応する場合もあります。どんな相談でも、ひとり一人に向けた丁寧な応答を心掛けています。
「話したい」「話してみようかな」その気持ちを大切にしてください。そしてメールでもチャットでも、話しやすい方で話してみてください。一緒に考えて行きましょう。
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