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連載

#17 城崎広告「会社員のモヤモヤ」

ササダンゴマシン直伝、ビジネス語の極意 「技術系はどんどん使え」

目次

 サラリーマンの日々をキャラ化した「城崎広告」のメンバーが日頃感じている疑問を、withnews編集部がフカボリ取材する「会社員のモヤモヤ」。16回目は「横文字ビジネス用語との付き合い方」についてです。
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今回の登場人物

倉知蓮
事業推進部所属の26歳。独特のセンスを発揮するビジュアルデザイナー。趣味はネットサーフィンとアイドル。

 

朝日奈彬
営業部所属の28歳。高いコミュニケーション能力とポジティブシンキングが長所。趣味はテニス、スキー、サーフィン、ランニング。

 

千歳原教次
40歳の営業部部長。経験豊富で、他人に厳しく自分にはより一層厳しい。趣味はオーディオとバイク。

最近よく耳にする横文字のビジネス用語。使いこなしているとデキるビジネスマンに見えることもあれば、ちょっとウザいということも……?

 

朝日奈

女子ウケは冗談としても、最近は横文字のビジネス用語を聞くことが多くなりましたよね。

 

千歳原

意識してはいなかったが、言われてみればそうかもしれないな……たしかに俺が若い頃に比べると明らかに増えていると思う。

 

倉知

営業のひとの会話って、おれにはほとんど外国語に聞こえることもありますよ。

 

千歳原

客観的にみているとそこまで増えているのか……相手に伝わらない言葉で話すのは営業としては悪手だ、気をつけよう。

 

朝日奈

それはもちろんそうですが、英語のニュアンスがそのまま伝わるなら、これからの時代のグローバルスタンダードといえるかもしれませんよ?

 

倉知

それ……まさにそんな感じです。

 

千歳原

よし、では今回はこれについて取材してもらおう。

 近頃特に横文字のビジネス用語をオン、オフ問わず使う人が増えてきていると思います。
 昔から馴染みのある「リスケ」(日程を再調整すること)といったような言葉もあれば、「フィジビリティ」「コンセンサス」等の最近よく聞くようになった用語もあるのではないかと思います。

 なぜ増えてきたのか?どう付き合っていくのがいいのか?パワーポイントを使いこなすプロレスラーのスーパーササダンゴマシンさんにお話を聞きました。

スーパーササダンゴマシンさん
スーパーササダンゴマシンさん

影響力の強い人の模倣

―最近、横文字のビジネス用語を頻繁に増えてきた理由について、どう考えていますか?

 まずは、影響力が強い人の真似をしたくなる習性ではないかと思います。そして、この習性は今も昔も変わっていません。

 テレビの影響力が強かった時代には、テレビに出ている芸能人、タレントの模倣を学校、職場でする人が多く居ました。
 最近は、SNSの影響力が強くなったことにより、模倣の対象が多種多様になり、情報も入手しやすくなっています。そのため、特定の人物のツイートや記事などの拡散されている情報も模倣の対象となりました。

 また、それらの模倣をすることによる特定のコミュニティへの結びつきを強めたいという思いも見て取れます。
 そこに属している人と同じ言葉を使うことにより、帰属を実感できるためです。「業界用語」を思い浮かべてもらえれば、イメージしやすいかと思います。
 
 その他のケースとして、ショーマンシップが挙げられると思います。わざわざ使う必要がないような場面において誰かを楽しませるために、あえて使っているようなケースです。今の仕事を楽しんでやれている人に多いような気がします。

 

倉知

ショーマンシップ……ずばり朝日奈さんのことですね。

 

朝日奈

たしかに仕事は毎日すごく楽しいよ! どうせプレゼンするなら楽しんで聞いてもらいたいって気持ちもあるな。

 

倉知

テレビとかSNSの影響力っていうのも、なんとなくわかります。ついノリで使っちゃったりしますよね。

 

朝日奈

そういうのも、ポジティブな気持ちで場が和むなら、俺はぜんぜんアリだと思うな。

技術系カタカナ用語はもっと使われるべき

―横文字ビジネス用語を使うメリットって何でしょうか?

 言葉にもよりますが意図した意味を伝えやすいことですね。中でも技術系のカタカナ用語はどんどん使われるべきだと思います。

最近私がよく使うのはシンギュラリティです。

 通常、技術特異点と言い換えられ、人工知能(人工超知能、汎用人工知能、AGI)の発明が技術の成長を引き起こし、人間文明に計り知れない変化をもたらす説とも言われています。

 例えばメッセージのやり取りをしていて、誤字があった際は、スマホの変換予測機能が人知を越えてしまったせいにして「いまシンギュラリティきた!!」と言ってごまかしています。

スーパーササダンゴマシンさん
スーパーササダンゴマシンさん

―では、デメリットって何だと思いますか?

悪役に見られることですね。

 カタカナのビジネス用語を使って人を説得しようとするのはドラマだったら悪者のやることです。

 例えば、経営が危うい老舗旅館があり、外資系のホテルチェーンが買収を計画したとします。
 外資系のホテルチェーンの人はそれこそカタカナのビジネス用語や、曼荼羅のような細かい図表を使って買収されることのメリットを説明し、方や旅館の従業員は奇跡の一発逆転を夢見て一致団結しようとします。
 ストーリーとして見れば、旅館の従業員の団結し、現状を守ろうとする方を応援したくなるのではないでしょうか。

 私がプロレスのリングでパワーポイントを活用するのも、相手に勝つための作戦を巧みに張り巡らせた末に、その相手のまっすぐな感情に負けることで素敵なエンディングの演出につながる場合があるからです。

 

千歳原

カタカナのビジネス用語で人を説得するのは悪者か……そうか、そういう見え方もあるんだな。

 

倉知

わかります……千歳原さんはどっちかっていうと見た目も強面ですし……

 

千歳原

……それは本意ではないが。だが倉知、技術用語はカタカナの方が伝わりやすいという点は、お前も納得するんじゃないか?

 

倉知

それは本当にそうですね。直感的に使ってるから、翻訳されるとかえってわからなくなったりします。

それでも、全て引き受けて使ってほしい

―今後、横文字ビジネス用語とどう付き合っていくのが良いでしょうか?

今の世論としては使わない方がいいです。

使うことによって、眉をひそめられたり、陰口を言われたりすることも有り得るからです。

ただ、それでもwithnewsを読んでいるような世代の方々には、それも全て引き受けて、後輩からは「また先輩、アジェンダって言ってるよ」と面白がられたり、上司や役員を説得する時には横文字ビジネス用語を多用して煙に巻き、仕事やコミュニケーションを円滑に進めていってほしいですよね。

 

朝日奈

よーし、これからも積極的に使いこなして、仕事を楽しくしていこうと思います!

 

千歳原

朝日奈の場合はそもそも外国語が得意だからな。お前に本気をだされると俺でもついていくのに苦労しそうだ。

 

朝日奈

もちろん、伝わらないと意味がないのはわかってますから、やりすぎていたら止めてください。でも俺、面白がられたらすごくうれしいです!

取材を終えて~「城崎広告」より~

 

倉知

あの、誤解されたくないから言いますけど、おれも別に横文字ビジネス用語嫌いなわけじゃないですよ。素直にすごいなって思っただけです。

 

千歳原

ああ、だがやはり今の世の中では無意識に増えているのはよくないと俺は感じた。意識して使いこなすならばむしろアリということも同時に感じたわけだが。

 

朝日奈

言葉はコミュニケーションツールですから。俺は今よりもっと意識して使いこなしたいと思いましたよ。

 

倉知

おれはほどほどにします……無理して使っても、うちの社員は煙にまけなさそうですし……

 

千歳原

むろんだ。だが技術系の用語であれば、お前の領分とも言えるだろう?

 

朝日奈

たしかに、デザインとかクリエイティブ系の横文字って俺たちには新鮮だな!

 

千歳原

あー、たとえばアレだ。よく水上と「カンプ」がどうだ「カーニング」がなんだと話しているが、俺たちにはよくわからん。

 

倉知

横文字ビジネス用語も一種の専門用語なんですかね……うーん。

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