連載
「あんまり食べないけど」は割安? 忘年会の会費、スマートな傾斜は
菅原数臣
37歳の事業推進部部長。経理担当として経験豊富なうえ、ソフトウェア分野にも精通。趣味は数学、ミルクパズル、資産運用。
水上芳樹
企画部所属の33歳。妥協を許さぬ審美眼の持ち主で、広報やアートディレクションでも手腕を発揮。趣味はおうちエステと観劇。
朝日奈彬
営業部所属の28歳。高いコミュニケーション能力とポジティブシンキングが長所。趣味はテニス、スキー、サーフィン、ランニング。
水上
朝日奈
菅原
管理職から平社員までが参加する飲み会で気になるのが、会費の設定です。「あまり食べないのに同じ額…」と感じる人もいるかもしれません。不公平感がなく、参加者が納得して払えるようにするには、どう傾斜をつければいいのか。昼夜合わせ年間400回の宴会幹事をしている、外食広報会の栗田朋一さん(46)に「スマートな傾斜」を聞きました。
「不満ある人がいるかもしれませんが、『たくさん食べる人は多く払う、食べない人は少なくする』というのはやめた方がいいです」と話す栗田さん。忘年会のような一体感が重視される宴会では、お酒を飲まない人には多少の配慮があってもいいですが、食べる量で傾斜をつけるのは結果的に雰囲気が悪くなりやすいと指摘します。
一方、役職による傾斜は「つけた方がいいです」。例えば10人の宴会で、1人当たり平均7千円の料金であれば、「部長2万円、課長1万円、係長7千円、平社員5千円が目安です」。最近では、役職を入力すると傾斜を計算してくれるスマホアプリも登場しているそうです。
そして傾斜をつけた会費は「事前に伝えるのが大事」と幹事の心得を話す栗田さん。「案内では人数が多い平社員の会費を載せ、役職のある人には個別に『○○円お願いします』とお願いに行きましょう。いずれにしても、当日ではなく、あらかじめ共有しておくことが大切です」。
会費の徴収も当日店でするのではなく、案内を配った時点など事前にした方がいいそうです。これは「仕事や体調不良などで急な欠席者が出た場合に、キャンセル対応をスムーズにするためです」。
当日の徴収だとキャンセル料が発生した場合に、幹事が立て替えることになり、そこからトラブルが起きることもあります。「事前に徴収しておいて、キャンセル料がなかったら欠席者に会費を戻す形の方が、お互いにモヤモヤは少ないです」。
キャンセル対応の延長で、「もしかしたら行けるかも」と出欠があいまいな人がいる時のコース料理の予約についても教えてくれました。そういう人は「欠席にカウントした方がいい」と断言する栗田さん。「店側としては、多くなる分には席を詰めたり、アラカルトで対応したりできるが、キャンセルは用意していた分が損失になってしまう」。
最近は飲食店のドタキャンがニュースになることもあるので、店側に迷惑をかけないような対応も大切かもしれません。
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