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2017年12月07日

中国人の富豪、オークションで狙うものとは?「仏像」人気、その理由

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熱気を帯びるオークション会場=ロイター

熱気を帯びるオークション会場=ロイター

 ネット上のオークションサービスが人気ですが、今も、リアルなオークションは開かれています。特に日本のオークションには、中国人バイヤーが多く参加しています。意外と静かな会場の理由、手に汗握る瞬間、中国人の富豪が求めるものとは……。オークション会場からは日中の結びつきが、経済や文化まで浸透している様子が見えてきました。

清王朝の雍正帝の桃文様の対のお椀、オークションでの落札額は5072万香港ドる(約7億3千万円)=2007年5月、香港

清王朝の雍正帝の桃文様の対のお椀、オークションでの落札額は5072万香港ドる(約7億3千万円)=2007年5月、香港

出典: ロイター

目立つ中国人バイヤー

 日本で開かれる実際のオークション会場で働いたことがある中国人に話を聞きました。

 オークションは年に数回、毎回3、4日は開かれています。いくつかのセッションに分けており、ジャンルによって出品されるものも違うそうです。

 ジャンルで多いのは骨董品、その他、宝石や書画なども。

 顧客で目立つのは中国人バイヤーです。

 オークションというと高価な品物を想像しますが、出品される数は数千点もあり、中には1万円程度の「宝石」「毛皮」もあるようです。

オークション会場からはみ出した席から、札を上げて骨董を競り落とす中国人男性=東京都中央区銀座、2010年12月6日

オークション会場からはみ出した席から、札を上げて骨董を競り落とす中国人男性=東京都中央区銀座、2010年12月6日

出典: 朝日新聞社

中国で人気の仏像

 目玉の品物は、値段がどんどん高くなります。

 有名な書家の作品、掛け軸、仏教の経典、大型の象牙製品などは、億単位になることも珍しくありません。

 会場で目立つ存在の中国人バイヤーは、どんなものを求めてきているのでしょうか? 最近、人気なのは仏像だそうです。

 来日5年目で、オークション会場で勤務したことがある張さん(女性・31歳)は「現在、中国で仏教信仰が回復し、仏像を家で拝む裕福な家庭や仏像を会社に置くビジネスマンが増えています」と説明します。

中国・安徽省合肥市のゴールドショップで、金の仏像を見つめる人々=2010年9月、

中国・安徽省合肥市のゴールドショップで、金の仏像を見つめる人々=2010年9月、

出典: ロイター

 裕福な家庭や会社の経営者ほど、「仏様」が家族や会社を見守ってくれると信じられているようです。

 高いものだと数百万円の仏像が取引されるそうです。

 また、高級な家具も人気です。

 張さんは「紫檀木や黄梨木のいわゆる骨董家具が人気です。中国ではなかなか本物が少なくっていますから」と話します。

 家具は、100万円から数百万円に達するものも少なくないそうです。

1107万ドル(約12億円)で落札された乾隆帝の紫檀木の御座=2009年10月、香港

1107万ドル(約12億円)で落札された乾隆帝の紫檀木の御座=2009年10月、香港

出典: ロイター

本物のバイヤーは静か

 オークション会場の雰囲気は独特です。

 遼寧省出身で、張さんと同じく日本のオークション会場で働いたことがある劉さん(男性・30歳)は「本当に買いたいバイヤーは、実は非常に慎重で、静かです。番号札も高く挙げずに、司会者にちらりと見せる程度です」と説明します。

 意外なようですが、その「静かさ」には理由があるようです。

「あまり自分がこの商品をほしいと見せたくないためだと思います。これは、日本人も中国人も同じですね」

 時には、大きな声で盛り上げる人もいますが例外的な存在だとか。

 「やじ馬もいますが、そもそも、その人が出品して、値段が上がらない時に、大きな声を上げて雰囲気を作ることもあります」

 とはいえ、会場の雰囲気は、魚の競り市とは違って大声をあげるシーンは少なく、基本的に静かな中で、取引が進むそうです。

観音菩薩像を丁寧に掃除する骨董店の店員=2007年3月、香港

観音菩薩像を丁寧に掃除する骨董店の店員=2007年3月、香港

出典: ロイター

緊迫感あふれる電話交渉

 扱う額が大きいため、緊張する場面もあります。特に日本のオークションは中国から来られない人が代理人を雇って、参加することが少なくありません。

 「代理人が入札しようとして、依頼主と電話で最終確認をする間に、また値段があがることもあります。タイミングが、なかなか合わない時など、携帯を持った代理人の焦った表情を見たことが何回もあります」と劉さんは話します。

転売でとんでもない額に

 中国からのお客は、転売目的の人もいるそうです。そこには、日本で出品されたものへの信頼感があります。
 
「中国人バイヤーにとって、日本には、まだまだいいものが眠っているという期待感があるようです。オークションを通して数十万円で購入した品物が、数億円で売り出されたこともあるそうです」と劉さん。

 日本人のお客の中には、大学の研究者が学生を引き連れて「勉強」のために参加するケースもあるそうです。

 張さんは「中国人は『投資』として考えてしまう傾向があります」と言います。

 その一方で「オークション会場での仕事を通して、日中の経済・文化の結びつきは隅々まで浸透していると実感しました」と話していました。

12億円の「椅子」、7億円の「茶碗」 桁外れなオークションの世界
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1107万ドル(約12億円)で落札された乾隆帝の紫檀木の御座=2009年10月、香港
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