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渋谷に出現「ナース酒場」血圧上がる…ドキッとするほどマジメな狙い
渋谷で「ナース酒場」が開かれるらしい。そう友人から誘われ、期待に胸を膨らませつつ、訪れました。そこで待ち受けていたのは、飲み放題のビール、看護師さんのはじける笑顔、そして普段の生活に役に立つ健康知識でした。いったい、何のために?「酒場」に込めた思いを聞きました。
開場すると、まずお客さんの血圧測定から始まります。
しかし、会場では、なぜか上の血圧(収縮期血圧)が180を超え、脈拍が1分間に120回を超えるお客さんが多数いました。
血圧は上(収縮期血圧)が130未満、下(拡張期血圧)が85未満、脈拍は1分間に60~100回が正常範囲とされているのですが。いったい、どうしてでしょうか。
その後も看護師が答える悩み相談コーナーなどが続きます。「看護師の恋人が欲しい」「お酒を飲んだときに太りにくい秘訣は?」といった質問にまじめに答えていきます。
ちなみに看護師の恋人が欲しい人は「看護師は仕事上の悩みを抱えがちなので聞き上手になること」。
太りにくい秘訣は「スープや野菜から食べ始め、次にたんぱく質の多い肉、魚類、最後に炭水化物を食べ、血糖値を上がりにくくする」ことだそうです。
このイベントは、看護師コミュニティ「看護師ーず」が、健康な若者が健康について考えられる機会を作りたいと企画し、JR渋谷駅近くにあるイベントレストラン「東京カルチャーカルチャー」で11月20日に開催しました。
主催者の一人、樽見春香さん(28)は「健康セミナーを開くと来てくれる人は元々健康に気を遣っている人たち。より多くの人に健康について考えてもらうためには、看護師が病院で待っているのではなく、楽しいイベントの場に出て行けばいいんだと思ったんです」と話します。
伊藤明香さん(34)は病院で、患者が深刻な病気により意識不明の状態で運ばれ、家族が延命治療をするか否か決断を迫られ、「こんなことになるなんて…」と動揺する姿を見てきました。
しかし、延命治療をするかどうか事前に話し合っていないことが多いそうです。もしかすると本人の希望とは違う選択が取られるかもしれず、家族にも重い決断を強いることになります。
「普段から医療関係者が関わっていれば、万が一のときにどうしたいか家族と自然に話せる機会を作れるのではないでしょうか」。普段の生活のなかで看護師が気軽に相談に乗れるように変えていきたいと考えています。
ナース酒場に取材に来ていたブロガーむねさださん(38)も妻が看護師だそうです。「気軽に健康について相談できる看護師が身近にいることはとても安心につながります。こうした企画でどんどんつながっていきたい」と話していました。
ナース酒場は単発のイベントでしたが、訪問看護リハビリステーションで働く山賀雄介さん(32)は「これからも定期的に開きたいです。来年には看護師が開く運動会も企画しています」と話します。facebookと通じて今後のイベントを紹介する予定です。一緒に活動する看護師も随時募集しています。
さて、このように書くととてもまじめなイベントのように読めますが、エンターテインメント要素も盛りだくさんでした。
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