連載
【決定版】電車で痴漢に疑われない「三つのこと」 謝罪は使い方次第
猫渕渉
42歳の企画部部長。長年の経験で築いた人脈とそつのない仕事ぶりに定評あり。趣味は読書、お酒、料理。
水上芳樹
企画部所属の33歳。妥協を許さぬ審美眼の持ち主で、広報やアートディレクションでも手腕を発揮。趣味はおうちエステと観劇。
夕永俊介
企画部所属の30歳。鋭い視点の持ち主でデータ分析やコンセプトデザインが得意分野。趣味はひとりキャンプと植物画。
猫渕
水上
夕永
今年に入り、電車内で痴漢をとがめられ、ホームから線路に飛び降りて逃げた男性が話題になりました。男性がトラブルに巻き込まれないためにはどうしたらいいか。安全生活アドバイザーで情報サイト「All About」防犯ガイドの佐伯幸子さんに「心がけておきたい三つのポイント」を聞きました。
「痴漢に間違われると最悪の場合、ネガティブな印象がついてそれまでの生活環境や将来すらも失ってしまいかねません。間違われないために、できる手段はすべて取るべきです」と話す佐伯さん。まずすべきことは「混雑している電車に乗らない」と断言します。
「周りに人がいなければ、接触することもない。痴漢を疑われるような状況に自分を持っていかないことです」
「特に満員電車は、疑われる危険性が高くなります。そうしたリスクを考えずに乗るのは、無防備と言わざるを得ません」
このアドバイスは、痴漢に遭いたくない女性たちにも伝えているそうです。「知り合いには始発で出勤している人もいます。そこまでするかは別ですが、少なくとも出退勤のラッシュ時間は避けた方がいい。中にはラッシュを避けるために転居したり、転職したりした人もいます」
混雑する電車は避ける。分かってはいるけど、乗り合わせてしまうことはもちろんあります。そんな時は「女性のそばには立たないで」。特に後ろは「痴漢をする人がよく立つポジションなので、疑われる可能性が高い」と話します。
そばに立たないのは、車内だけでなく駅のホームでも。「自分の周りが『男性専用車両』になるような位置取りを意識しましょう」
位置取りを意識していても、乗客の乗り降りなどで女性と隣り合わせになるシチュエーションもめずらしくありません。誤解のないようにつり革をつかむことは当然ですが、体勢が崩れるなどして思わず接触してしまった時、「『すみません』と一声かけるだけでも印象がだいぶ違います」とアドバイスします。
この声がけは相手だけでなく、周辺の乗客にも伝える効果があるそうです。「丁寧な印象を与えておけば、痴漢を疑われた時に周りの協力が得られやすくなります」
佐伯さんによると、痴漢はその時の状況に加えて、態度や印象から痴漢と疑われてしまうことがあるそうです。「すみませんの後に『大丈夫でしたか』と気遣う言葉を付け加えれば、印象は相当良くなります」
それでも、万が一疑われたら「冷静さを失わずに毅然と対応しましょう」と佐伯さん。「『私は手を上げていました。勘違いではありませんか』と伝え、周りの人にも協力を求めます。罪を認めたと受け止められるので、今度は『すみません』と言ってはいけません」
痴漢に間違えられる危険性から「逆算して考えることが大切」と話します。「自分が痴漢に間違われるとしたらどんな状況かを考えてみることです。なぜ?を追究したら避けるべき状況が見えてくるはずです。危機管理行動をとること。そうすればトラブルに巻き込まれるリスクが減らせます」
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