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IT・科学

異形の進化を遂げた「エアバッグカー」 2年の開発で見つけた答え

見た目は2年前と変わらないようだが、中身は……
見た目は2年前と変わらないようだが、中身は……

目次

どこまで進化?

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2年前の東京モーターショーで、最新技術を駆使した車が並ぶ中で異彩を放っていた「エアバッグカー」。

ノーマークだったが思わず取材を急いだ。もこもこしていて、触るとぷにゅっとした弾力がある。ゴムや樹脂部品を手がける豊田合成(愛知県清須市)が出品したコンセプトモデル「Flesby」だった。

車体の外側にエアバッグ機能があり、歩行者に衝突したときに膨らむことで衝撃を和らげる。今年も出品されると聞き、今度は迷わず取材に行った。気になる進化のほどは?

丸みを帯びた親しみのある車体が特徴だ
丸みを帯びた親しみのある車体が特徴だ

「今年は技術を折り込んでる」

第2弾となる今年のコンセプトモデルの名称は、そのままだが「FlesbyⅡ」。

2030年ごろの実用化を想定した、1人乗りの超小型モビリティーだ。

丸みを帯びたウグイス色の車体は、ぱっと見は2年前とほとんど変わっていないような……。そう思って担当者に聞くと、「今年は、技術を折り込んでいます」。

側面にはLEDが内蔵され、周囲に対して情報を発信できる
側面にはLEDが内蔵され、周囲に対して情報を発信できる

エアバッグが……

実は、このクルマのアイデンティティーを揺るがしかねない重大な変化があった。車体に使っていたエアバッグを廃止してしまった。

衝突時にエアバッグが急に膨らむと、はじき飛ばされるなどして歩行者に危険が及ぶ恐れがあった。

そのため、歩行者保護の基本コンセプトは変えずに、衝撃を吸収する柔らかい素材に変更した。

目玉のような光が愛らしいボディーの顔
目玉のような光が愛らしいボディーの顔

今年は内装も披露

前回公開されたのは車体だけだったが、今年は内装も披露された。

実際に座ってみると、座面はソファのように柔らかく、包み込まれるような感覚がある。少したつと、右太ももの横のあたりがゆっくりと膨らんできた。

自動運転中に搭乗者の姿勢を保つため、車の動きに応じてソファの座面が膨らむそうだ。

側面はタッチパネルのようになっており、音楽を流すなど、直感的に車とコミュニケーションがとれるという。

ゆったりとした作りの内装
ゆったりとした作りの内装

さらに2年後が楽しみな進化

2年前のモデルにも実装されていた、空気抵抗を減らすために高速道路でボディーの形状を変化させる機能も、同社が開発した電気で動くゴムを使って進化させた。

交通事故被害を減らしたい、という願いが込められた「エアバッグカー」。肝心のエアバッグは使わなくなったものの、この2年間で試みは確実に前進していた。

側面の光った場所はスイッチのように使うことができる
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