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やまとさんからの取材リクエスト

海外のジョークはどんな感じなのでしょうか?



笑うツボにもお国柄? 失敗談好きなドイツ人、中国では当局の規制が

自撮りするチャップリンに扮した大道芸人=2016年7月、ロンドン、ロイター
自撮りするチャップリンに扮した大道芸人=2016年7月、ロンドン、ロイター

目次

取材リクエスト内容

アメリカンジョークやブリティッシュジョークは聞いたことがありますが、他の国のジョークはどんな感じなのでしょうか? やまと

記者がお答えします!

 日本のジョークといえば「おやじギャグ」があります。ただ、世界で通用するかというと、ちょっと疑問です。チャップリンの映画のような誰もが笑える作品がある一方、ジョークには「お国柄」が現れるようです。真面目なドイツ人は日常の失敗談が逆に人気で、中国ではお笑いへの規制が強く劇場公演が熱い。各国のお笑い事情を調べてみました。

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イギリスは風刺と自虐ネタ

 まずイギリスから。イギリス式のユーモアは、主に風刺(皮肉)と自虐的なもの。自分たち自身をからかうことが多いようです。

 イギリスの有名コメディアンは、ラッセル・ハワードやジミー・カー。イギリスのアシュフォードに住むウパマ・サングデンさんは「ジミー・カーはブラックジョークと出演を妨害するヤジへの対応で有名です」と話します。

 ラッセル・ハワードは時事的ニュースをネタの風刺が得意です。動画サイトで見られる映像では、ハワードが、ニュース映像を「いじり」ながら、モノマネと毒舌なコメントで観客を笑わせています。

イギリスの人気コメディアンジミー・カー=2006年3月、ロイター
イギリスの人気コメディアンジミー・カー=2006年3月、ロイター

アメリカのコメディアンは多芸多才

 アメリカにも、もちろんコメディアンはいますが、俳優や司会者のジョークも人気があります。

 例えば、ジミー・ファロン。彼は台本なしで即興でジョークが言えるので、自然な笑いを誘います。さらに音楽や演技の才能も豊かで、ラップやロックそしてダンスを披露するし、女装なども役も演じたりします。ショービジネスが盛んな国だけに、笑いにも演技力が求められるようです。

 オハイオ州出身のサラ・デリックさんは「コメディアンより、俳優のほうが有名で面白い」と言います。特にトークショーの司会者の存在が大きいそうです。

 ケーキを顔にぶつけたり、バナナの皮で滑ったりする「ドタバタ芝居」もありますが「あんまり上品じゃないですね…」とサラさん。

 不幸な出来事を冗談の対象にする「ブラックジョーク」、ポーカーフェイスで平然と皮肉を込めて言う「ドライ・ユーモア」なども、アメリカで流行っているそうです。

オバマ大統領と対談するトークショーの司会者ジミー・ファロン(右)=2016年6月、ロイター
オバマ大統領と対談するトークショーの司会者ジミー・ファロン(右)=2016年6月、ロイター

ドイツのジョークでストレス発散?

 お国柄が現れているのがドイツです。

 人気なのがホームビデオに録画された他人の失敗の映像。ドイツ人は普段の生活で決まりを守ることを大事にする人が多いため、逆に他人の日常生活の失敗を見ることが面白く感じるようです。

 ドイツから日本に留学しているタベヤ・ガウさんによると、ドイツ人は基本的にブラックジョークが好きで、特に政治風刺が多いそうです。

 ただし「ドイツのユーモアはおそらくドイツ人しか分からない」と言います。

 「ドイツの政治、弁護士など特定の職業のステレオタイプなイメージを取り上げたジョークがありますが、外国人には理解しにくいでしょう」

中国では、TVでの笑いが難しくなっています

 中国でのお笑いの主役は漫才・コントです。

 中国の漫才とコントは、役人や政治に対する風刺や、普通の生活を取り上げたものが多いのが特徴です。また、批判もされますが、顔や身体の一部の特徴を笑いのネタにすることもあります。

 最近では政治風刺が難しくなり、下ネタなどの「俗っぽいもの」もテレビで放映しにくくなっています。そのため、劇場での公演に力を入れる芸人も増えています。
 
 ネット上で生まれたお笑い番組も人気があります。「地球上」の出来事を「火星人」に面白おかしく報告する「火星情報局」は、若者に人気です。「火星情報局」では、方言ネタや、ネットショッピングにはまる人など中国の今っぽい生活がネタにされています。

中国の有名お笑い芸人の郭徳綱さん=2017年6月、東京・有楽町
中国の有名お笑い芸人の郭徳綱さん=2017年6月、東京・有楽町

 ちなみに、中国では一番人気と言われるコメディアンは漫才師の郭徳綱(グオ・ダーガン)さんです。

 郭さんはウェイボーのフォロワーが6千万以上います。郭さんが人気になったきっかけもインターネットでした。中国の漫才「相声」のネット上の動画が話題になり、マスメディアに取り上げられ、有名になりました。
 
 又吉直樹さんの小説『火花』の中国版を出版される際には、郭さんはその序文も書いています。

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