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「シャンシャン」、中国でも反響 伝説の姫に例え「きっといい匂い」
上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃんは、その可愛らしい姿で高い人気を誇っています。9月25日に「シャンシャン(香香)」という名前が決まりました。パンダの本場・中国のネット上では伝説上の人物になぞらえて「きっといい匂い」とコメントする人や、SNSのアカウント名を「香香」としていた人には祝福のメッセージが。赤ちゃんパンダの命名は日本だけでなく、中国の人たちの間でも一大ニュースとなっています。
シャンシャン(香香)と言う名前は、応募総数の32万2581通の中から、選考委員会が8点に絞り込み、小池百合子知事が最終決定しました。
小池知事は25日に記者会見し、シャンシャンの意味について説明しました。
「呼びやすく、花が開くような明るいイメージ」
さらに「香」は中国で「人気がある」という意味があることも付け加えました。
中国語の意味はまさにその通りで、「香」はいい匂いということで、花が咲く場面を連想させる言葉です。そして現在は少し減りましたが、中国の女の子の名前にもよく使われます。
中国の歴史上には、「香香公主(シャンシャン姫)」という人物がいます。一説によると、彼女は少数民族の姫で、花を食べ、体から自然といい匂いを発するため、その名になったそうです。
その物語にちなんで、上野動物園の赤ちゃんパンダを「シャンシャン姫」と呼ぶネットユーザーが現れ、「きっといい匂いしているだろうね」というコメントも綴られました。
公開された写真から、「シャンシャン姫の体毛がうっすらとピンク色に見える」と指摘するユーザーに、別のユーザーが「お母さんのシンシンが清潔にしてあげるため、よく舐めた結果です。まさに愛情たっぷりの証しです」と返答するなど、中国のネット上でも盛り上がっています。
中国語で漢字二文字の繰り返しは、響きが可愛く、子どものニックネームとして使うことが多いです。もちろん正式名の場合もあります。
有名人で言うと、例えば、2015年のノーベル医学生理学賞を受賞した、屠呦呦(ユーユー)さん。
他にも中国の飛び込み選手で、香港の豪族に嫁いだ郭晶晶(ジンジン)さんや香港フェニックステレビでのコメンテーターの何亮亮(リャンリャン)さんなどもそうです。
上野動物園では、パンダの名前が繰り返しになったのも一種の伝統のようです。おそらく最初の「ランラン」「カンカン」の影響が大きかったのでしょう。
中国で最も有名なパンダは、北京で開かれた1990年のアジア競技大会でマスコットになったパンパン(盼盼)だと言われています。やはり繰り返しでした。
繰り返しについてはこんな面白いエピソードもありました。あるネットユーザーが中国版ツイッターの微博(weibo)で次のようなコメントを残しています。
「パンダに繰り返し名が与えられたせいで、繰り返し名の知り合いが海外留学の際に、自分の名前を言っただけで、外国人に笑われてしまったよ。彼らはパンダだけが繰り返し名を使うと勘違いしているから…」
文字の繰り返しは決してパンダ専用ではないのですが、パンダがあまりにも有名なため勘違いも起きてしまっているそうです。
在日中国人の友人で、本名に香という文字があるため、SNSのアカウント名を「香香」にしている人がいます。
パンダ赤ちゃんの命名を受け、中国版のLINE「微信(WeChat)」で早速話題になりました。
「香香、素晴らしい親戚が増えましたね。おめでとう」
「すごい!」
「上野に、あなたに会いに行くよ」
「一緒に上野にパンダの赤ちゃんを見に行きましょう」
と友人たちが冗談半分でメッセージを送りました。
本人も、「同じに名前になって嬉しい。これから子どもを連れて、上野動物園に赤ちゃんパンダのシャンシャンをぜひ見に行きたい」と喜びの声。シャンシャン姫の誕生は、私の周りでも明るいニュースとなりました。
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