IT・科学
VALU騒動は仕込み?「暴露動画」、事務所も了承 VALUは反論
大量売却は仕込みの企画だったのか、否かーー。仮想株式のような位置づけの「VA」を売買し、個人が資金を集められるサービス「VALU」。そこで自身のVAを大量に売却し、購入者に損害を与えたと非難されているYouTuberのヒカル氏が4日、「売却は動画の企画であり、VALUも関わっていた」と主張する「暴露動画」を公開しました。ヒカル氏の所属事務所も、動画公開は「認めたこと」だといいます。これに対しVALU側は5日朝、すぐさま反論する事態になっています。
ヒカル氏は8月中旬、VALUで動き始めるとツイッターで表明。新たな優待特典などを期待して、ヒカル氏の「VA」を購入する人が殺到し、価格が高騰しました。ところが、すぐさまヒカル氏は自らの「VA」を大量に売りに。数千万円規模の利益を得る一方、価格は暴落する事態になりました。
さらに、所属事務所VAZの関係者も、ヒカル氏の「VA」を売却しており、大量売却をあらかじめ知っていた「インサイダー取引ではないか」と批判を浴びています。
ヒカル氏は4日公開の動画で、VALUに関わることになった理由を「VALUでヒカル、ラファエル、いっくんの価値を競い合う、YouTubeの企画をしないかというところからだった。すごい軽い気持ちで『面白そうだな』と思った」と説明。
そのうえで、この企画には「VALUと密に関わっている方が2人、VAZの従業員が1人、アドバイザーのような役割で関わっていた」「当初からVALUと連携して企画が盛り上がるように準備していた」とVALU側の関与を強調。企画内容が大量売却に決まったのも「ちまちまやっていても面白くないと提案して、他の人も納得した」からだと主張しました。
これに対し、VALUが自社サイトに掲載した反論は、以下の内容です。
「VAZ社側から当社に対して『VALUに人気YouTuberをアサインできないか』と事前に相談があり、当社がVAZ社の関係者に対してVALUの仕組みを説明したことや、優待の内容について議論したことは事実ですが、ヒカル氏らによる大量売却その他の投稿内容やTwitter上での発言等について当社は関知および関与しておりません」
「当社は、VAZ社の関係者としか連絡を取っておらず、ヒカル氏らと直接やり取りをしたことはありません。したがいまして、ヒカル氏らが当社とVAZ社の関係者とのやり取りをどのように認識していたかは当社には関知し得ません」
それでは動画で「従業員が1人、企画に関わっていた」と指摘された、ヒカル氏の所属事務所VAZの見解はどうなのでしょうか。
メールでの取材に、同社は「弊社のクリエイターがVALUの登録をする段階において、VALU社のサポートを受けていたこと、および弊社の社員が個人的にかかわっていたことは事実」と認めました。
さらに「ヒカルの動画については、弊社として公開を認めたものです」と、VAZが動画にゴーサインが出したことを明かしました。
また、「VALU社から内容証明郵便が来るなど、本件は法律問題に発展していると理解しています」とも説明。確かにVALUは、ヒカル氏らの大量売却後、VAZに対して利用者への損害賠償などを勧告する内容証明郵便を送ったと発表しています。
真っ向から食い違う、VALUとヒカル氏の言い分。ヒカル氏は動画の中で「LINEのやりとりなどの証拠もあるが、動画では公開しない」と、具体的な証拠を持っていることもうかがわせています。
決着は、見えていません。
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