では、スピーチをはじめます。
今日は「ブッダも怒る」というお話です。
チベット密教に詳しい牧野宗永さんの話によれば、ブッダも怒るそうです。
道を歩いているときに、見知らぬ人にほっぺたを打たれる。
さすがにブッダもこのときは、「なんだ、こいつは!」とムカっとくるんだとか。
しかし、このあとが凡人とは違うんですね。
次の瞬間には、怒りの感情をパッと手放してしまう。
そして平常心に戻ったところで「なぜ、私を叩くのか」と聞いてくるそうです。
私はこの話が好きです。
ブッダでも怒る。
だから凡人の私が、カッとなったり、ムカっとくるのは当たり前のことなんですね。
大切なのは、その先の一瞬にして「怒りを手放す」ところです。
ブッダが手を開くと、そこから怒ったサルが飛び出して逃げていく。
そんな姿が浮かびます。
「こうありたいものだ」と考えた私は、怒ったときは手を握りしめないよう心がけています。
不思議なもので、怒ったときはぎゅっと手を握り込むもの。
怒りのサルの首を締め、ますます顔を赤くさせているようなものです。
体の無駄な力を抜くように、グー、パーを繰り返し、パーのときに、どす黒い怒りのマグマがどっと掌からでていくところを想像します。
たったこれだけのことで、瞬間湯沸かし器に冷却装置がつきます。
怒りのほかにも、不安、不満、不平、疲弊、なんでもいい。
そんな感情がわき起こった次の瞬間に、手放す。
心で思うだけでなく、具体的に手をぱっと開く行動をとってみる。
気持ちを整えるこうしたアクションを自分なりに開発していくことが、大人には必要に思えるのです。
「ブッダも怒る」
でも、次の瞬間には怒りを手放す。
今日の言葉のちょい知恵をお試しあれ。