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缶詰の『2020年問題』、賞味期限で混乱? メーカーや消費者庁に聞く

ツイッター上で「缶詰の2020年問題」が話題になっています。

大豆の缶詰。底面に賞味期限として「191023」と表記されている
大豆の缶詰。底面に賞味期限として「191023」と表記されている

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 ツイッター上で「缶詰の2020年問題」が話題になっています。例えば、賞味期限の表記を2020年8月31日とする場合、西暦下2ケタで記せば「200831」となり、「2008年3月1日」と読んでしまう可能性があるというのです。西暦の表記については、メーカーや商品によって4ケタか下2ケタかは異なっています。表記のルールやメーカーの対応はどうなっているのか? 取材しました。

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大豆の缶詰。底面に賞味期限として「191023」と表記されている
大豆の缶詰。底面に賞味期限として「191023」と表記されている

2020年問題とは?


 8月中旬、ツイッターに投稿された「缶詰の2020年問題」に関する話題。

 数年前まで賞味期限はYYMMDD形式で、西暦下2ケタ表記が多かったこと、2020年を表記する場合に読み間違う可能性が出てきたため、YYYYMMDD形式で4ケタにするために機械を入れ替えざるを得なかったこと、などが書かれています。

 記者も手元にあった缶詰を確認したところ、底面に賞味期限として「191023」と表記され、側面には注意書きで「日付印字の頭2桁は西暦下2桁を表し、以下月、日を表しています」とありました。

 この場合、パッケージからしても「1910年2月3日」と読み間違う可能性は低いと思いますが、2020年の下2ケタを表記する場合は間違って読んでしまうケースも出てきそうです。

こちらはシーチキン。「2020.6.14」と西暦も4ケタで「.」もあるため、読み間違えにくい
こちらはシーチキン。「2020.6.14」と西暦も4ケタで「.」もあるため、読み間違えにくい

メーカーに聞きました


 大手缶詰メーカーの対応はどうなっているのか?

 「シーチキン」で知られるはごろもフーズ(静岡市)に聞くと、こんな回答が返ってきました。

 「シーチキンについては2000年ごろの製造分から、西暦表示が下2ケタだったものを4ケタに変更しました。一部推察になりますが、下2ケタだと紛らわしいことや、それまでのエンボス印字からインクジェット方式に切り替えたことがきっかけだったようです」

 2020年問題について尋ねると、「そういった理由ではないようです」との回答でした。

 日本水産(東京都)も10年以上前に下2ケタから4ケタに変更。こちらも「2020年問題があったとは聞いていません」とのことでした。

 同じく、十数年前に下2ケタから4ケタに変更したというマルハニチロ(東京都)。2020年問題を否定した上で、こう説明します。

 「下2ケタだと、平成○○年といった和暦と勘違いされる方がいるかもしれない、というのが理由です」

 中小の缶詰会社も何社か取材しましたが、「うちは両方対応できる機械になっている」「下2ケタ表記だが、年と月の間に『・』を入れるなどして対応できる」といった回答で、2020年問題を理由に変更したという会社を見つけることは出来ませんでした。

こちらはシーチキン
こちらはシーチキン

そもそもルールは


 そもそも、下2ケタか4ケタか、表記上のルールはどうなっているのか?

 消費者庁食品表示企画課の担当者は「缶詰に限らず、賞味期限の西暦については下2ケタ、4ケタのどちらでも問題ありません。和暦での表記も認められています」と説明します。

 表記の統一に向けた検討も、現時点では進んでいないそうです。

 業界団体である日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、「缶詰の賞味期限表記については印字する機械の進化もあって、だいぶ前から4ケタ化が進んでいます」とのこと。

 こちらでも2020年問題については「聞いていない」とのことで、表記統一についても議題には上がっていないそうです。

 ◇ ◇ ◇

 表記は統一されていないものの、西暦の4ケタ表記は増えているようです。「2020年問題」を気にする機会は、それほどないかもしれません。

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