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制服のスカート短くさせない!驚きの技術 学生服メーカー次々と投入
女子高生のスカートが長くなってる? 朝日新聞が全国14都道府県の女子高校生のスカート丈を調査したところ、取材にあたった20代後半を中心とする記者たちから「自分たちの頃より長い!」という声が上がりました。女子高生の制服に何が起きているのか……。学生服メーカーを訪ねたら、スカートを短くさせない驚きの技術が明らかになりました。
7月上旬に都内であった学生服メーカー「トンボ」(岡山市)の展示会に伺いました。学校関係者や制服販売店向けの催しで、最新の制服が紹介されています。
ベージュのジャケットに赤系のチェックスカート、ピンクのラインのはいったジャケット……。物語にでてきそうな制服ばかりで、紺色無地の制服の学校に通っていた元高校生としては憧れの世界です。
会場を案内してくれたトンボのマーケティング課の佐藤望さん(24)に「最近の高校生のスカート、長くないですか?」と聞くと、「『カーブベルト』はメジャーになってきています」との答えが。
聞き慣れない言葉「カーブベルト」。いったいどんなものなのでしょう?
ベルトといっても巻くわけではなく、このスカートの腰の部分のつくりを「カーブベルト」というそうです。
記者が高校生の頃は、スカートの腰部分の幅3センチほどのかたい部分を2回くらい折ってスカートを短くするのが一般的で、今の高校生にもその技術は脈々と受け継がれているようです。
しかし、この「カーブベルト」は腰部分が柔らかくなっていることで、うまく折ることができません。たとえ折ったとしても、ヒダが崩れてしまうのです。
上がダメなら、下から……。スカートを短くするために、裾を切ってしまうという荒業もあるのですが、なんと!それも封じられていました。
その技術が、「レインボーロック」です。
縫った部分が虹色になり、裾を切ってしまうと、再現するのが難しいのです。
ほかにも、高校生には、胸元のリボンのヒモを伸ばして垂らすのも定番の「着崩し」ですが、それも対策済みでした。「ワンタッチリボン」は、リボンについた金具をシャツにひっかける形で、垂らしようがありません。
ネクタイもあり、結ばなくて良いという利点もあるそうです。
あとは、ワイシャツのボタンを2つあけたり、シャツをスカートに入れる時に「ぴっちり」でなく余裕を持たせるという「着崩し」もあるのですが……。
最近は夏場にポロシャツを採用する学校も多いそうです。透けにくく、アイロンが不要という手軽さから広まっているといいます。
トンボ営業統括本部副本部長の恵谷栄一さん(55)は「美しい制服を、美しいままに着てほしい」と言いますが、記者は高校生の頃に「着崩さないと、かわいくない!」と思っていたので、なんだか寂しい気もしてきます……。
しかし、会場を見渡してみるとかわいい制服ばかり。着崩さなくても、かなり「イケてる」感じになれそうな気もします。
特にスカートのチェック柄が豊富で、デザインも巻きスカートのようなものから、大きいプリーツと小さいプリーツがセットになっている「親子」など多彩です。
制服の〝進化〟により、高校生の着こなしにも変化が出てきているのかもしれません。
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