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友人がニセ情報をシェア、8割は指摘せず放置 理由は「面倒だから」
友人がニセ情報をシェアしていた時に、8割は指摘せずに放置。その理由の半数は「面倒くさい」から――。LINEがユーザーにフェイクニュースに関するアンケートをした結果、こんな傾向が見えてきました。一度拡散すると、そのまま広がり続けてしまうこともあるフェイクニュース。調査に関わった博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平さんは「『フェイクニュースを載せている』と指摘できるほどの深い人間関係が減ってきている」と分析します。
アンケートは、LINEと博報堂ブランドデザイン若者研究所の共同調査で、7月上旬に実施しました。情報を取得しているメディアや真偽不明の情報に接した時の行動、SNSで「いいね」やシェアをする場合などについてLINE上で尋ね、10~60代の男女3705人が回答しました。
フェイクニュースに関してはまず、ニセ情報やウソニュースをネットに書き込んだり、シェアしたりしたことがあるかについて聞きました。その結果は、
でした。2割の人がニセ情報を書き込んだり、シェアしたりした経験があるようです。中でも、男性の10~30代は約3割が該当しました。
ニセ情報を書き込んだり、シェアしたりしたことがある人に「シェアしたいと思った情報が真偽不明」だった時にする行動を選択式で尋ねたところ、「内容が正しいかどうかを気にすることはない」と答えた人が15%いました。これは、全員に聞いた時の割合(6%)の倍以上いました。
周りの人がニセ情報を拡散していた場合についても聞きました。「ネットで友人・知人がウソニュースやニセ情報を信じ込んで他人にシェアしていたのを見たことがあるか」と聞いたところ、
と、およそ3分の1は「見たことがある」と回答。そのうち79%は「見たことがあるが、指摘したことはない」と答えました。全体で見ると、「指摘したことがない」人の割合が男女ともに多かったのが20代。4割近くを占めました。
指摘しない理由を自由記述で聞くと、46%が「面倒だ」に該当しました。「トラブルに巻きこまれたくない」(男性10代ほか)などといった人間関係の面倒さや、「ニュースがガセか確定することが面倒」(女性30代)などといった事実確認についての面倒さが具体的に挙げられました。
このほかにも、「ウソや偽物に騙されるのも含めてのsns利用だと思うから」(男性30代)、「大した影響がないと思われるから」(男性50代)、「ネタRTかもしれなかったから」(女性10代)、「真意がわからないから」(女性20代)などといった「指摘しない理由」がありました。
友人や知人がニセ情報をシェアしていても、8割近くが指摘しないという結果に、原田さんは「フェイクニュースを載せている知り合いがいても、それを指摘できるほどの深い関係性が世の中から減っている。SNSの普及によって、若者を中心に人間関係の数は劇的に増えたが、深い関係を築ける人は減った」と分析します。
「面倒だと思っているのかもしれないし、あるいは、相手のプライドを傷つけてはいけないと、忖度しての行動かもしれない」と原田さん。その上で、「面倒や忖度を恐れず、風通しの良いコミュニケーションが求められるようになっているのでは」と指摘しました。
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