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コラム

終業合図「ロッキー」で残業減? 〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが映画「ロッキー」のテーマについて描きました。

漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん

 映画「ロッキー」のテーマ曲を、終業の合図に使ったら残業時間が減ったって本当なの? ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

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漫画「ロッキー」=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」=作・吉谷光平さん
 オフィスで終業時刻に音楽を流し、帰宅を促す試みが広がりつつあります。お店が閉店まぎわに「蛍の光」のメロディーを流すのと同じ手法ですが、効果はあるのでしょうか?
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
 東京・新宿のオフィスビルに入居する三井ホーム本社。社員約100人が机を並べるフロアでは、ゆったりとしたピアノ曲が流れていますが、午後6時に突然、映画「ロッキー」のテーマ曲に切り替わります。終業時刻を告げる合図です。

 社員が次々と立ち上がり、「私は7時までかかります」「私はこれで帰ります」。机を接する同じ班で順番に宣言していきます。

 残業が長くなりそうな社員には、上司がアドバイスしたり、周りが手伝いを申し出たりして、早く帰宅できるよう協力し合います。
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
 オフィスで決まった時間帯に音楽を流す取り組みは、総務、経理、人事などの部署で2014年10月から始めました。社員のリラックスや、メリハリをつけて働いてもらうのが狙いでした。

 最後が「ロッキー」なのは、勇壮な曲調で「残りの仕事もがんばろう!」と奮い立たせるためです。残業は「減ってくれたらよい」ぐらいの期待感でした。

 昨年10月に対象部署の勤務時間を調べたところ、取り組みを始めて残業時間の合計が2~3割ほど減ったといいます。
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
 流す音楽は、USENが企業向けに提供するBGMサービス(1フロア月5千円)を使っています。「クラシック モーツァルト」など94チャンネルから選べ、午後6時に「ロッキー」を流すチャンネルに自動で切り替わる設定です。

 USENによると、導入企業数は数千社と、サービスを始めた13年度から4倍に増えたそうです。

 当初は職場の話しやすい雰囲気づくりや集中力アップが期待されていましたが、電通の新入社員が過労自殺した違法残業事件が起きてから、残業を減らす手段として注目されるようになったといいます。
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ロッキー」の一場面=作・吉谷光平さん

 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。漫画アクションで「あきたこまちにひとめぼれ」を連載中、月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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