孫娘とのやりとりの中で、ふと将来を想像したら笑いがこみ上げてきた――。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが、新聞投稿をもとに描きました。




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「生クリームをかけたらおいしいかも」と言ったら「生クリームあるの」と、目を輝かせた。あいにく生クリームはなかったが、コーヒーに入れるクリームがあったので、たらしてみたらキレイな模様に。見とれてはいたが、食べる決心はつかないようなので、それ以上は薦めるのをやめた。
私は果物はあまり好きではなく、これまでは食べることも少なかった。見事な柿をもらっても、徐々に熟していくのを仕方なく眺めているだけ。食べてみようかと思うようになったのは、歯がなくなってきたからだ。老いたのだ。
遠い昔の祖母と私のやりとりも、今とよく似たものだった。熟柿のことを「ずくし」と呼んでいた祖母を思い出しながら、今は幼い孫もいつか熟柿を食べる日が来るだろうなと想像し、笑いがこみあげてきた。

【よしたに・こうへい】 26歳の漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。現在は月刊ヤングマガジンで「ナナメにナナミちゃん」を連載中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。