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2016年03月20日

難民にメガネを無償提供 活動続けて33年、札幌の富士メガネに聞く

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支援チームの女性から贈られたメガネをかける国内避難民の子ども=アゼルバイジャンのバクーで

支援チームの女性から贈られたメガネをかける国内避難民の子ども=アゼルバイジャンのバクーで

出典: 富士メガネ提供


 世界的に難民問題が混迷を深めるなか、自社の強みを生かして、地道に難民支援を続けている会社があります。札幌に本社がある「富士メガネ」です。今年5月には社員7人がアゼルバイジャン入りし、現地の難民・国内避難民の視力を測定し、一人一人に合った新品の眼鏡を無償配布する予定です。これまで33年かけて、6カ国で14万5000組のメガネを寄贈してきました。社員のモチベーション向上にもつながっているという活動について、詳しく聞きました。

富士メガネ会長の金井昭雄さん(2006年)

富士メガネ会長の金井昭雄さん(2006年)

出典: 朝日新聞

支援開始は1983年


 富士メガネが難民支援を始めたのは1983年。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携し、これまでにタイやネパール、アルメニアなどを巡り、難民らの検査をして、14万5487組の眼鏡を寄贈してきました。

 きっかけは、現会長である金井昭雄さんがアメリカ留学中、先輩オプトメトリスト(米国の視力測定医)とともに、アリゾナの先住民族の視力検査ボランティアに参加し、自らの仕事の重要さを痛感したことでした。

 帰国後に構想を温めていたところ、インドシナ難民がタイに流入したことで、関係者から支援要請を受けました。1983年が富士メガネ創業45周年だったこともあり、記念事業としてタイへの支援がスタートしました。

 それから毎年欠かすことなく支援を続け、対象となる国も増加。来月には新たにイラクの国内避難民に新品の眼鏡を送る予定です。

 こうした活動が認められ、金井さんは2006年、日本人として初めてUNHCRの「ナンセン難民賞」を受賞しています。

視力検査を終え、老眼鏡をかけるお年寄りの女性(左)=ハジガブールの医療施設で(2005年)

視力検査を終え、老眼鏡をかけるお年寄りの女性(左)=ハジガブールの医療施設で(2005年)

出典: 朝日新聞

なぜ支援を続けるのか?


 なぜこうした支援を続けるのか? 富士メガネ会長の金井昭雄さんに聞きました。

 ――毎年欠かさず継続している理由を教えて下さい

 「視覚の補正という支援は、それを受けた難民・国内避難民の方々の喜びがとても大きく、関係各所からの要望が強いので、それにお応えしている状況です。メガネを無償で提供するのだから、喜ばれて当たり前かもしれませんが、涙を流したり、我々に抱きついたり、心の底から喜ぶ様子を見ると、連日の検査はきつくても『来年も』と頼まれると断れません」

 ――自社にとってのメリットは

 「これまでに171人の社員を派遣してきました。難民・国内避難民の方々の自立の足掛かりになる様子を目前にして自分の職業を誇りに思い、モチベーション向上につながっています。また、派遣された社員は社会人として広く世界の状況に目を向けるようになります。店頭でも、CSRにご興味を示されるお客様が多くいらっしゃるので、実体験をお話しして活動へのご理解をいただいています」

富士メガネの本社に届いた反響の手紙(2006年)

富士メガネの本社に届いた反響の手紙(2006年)

出典: 朝日新聞

今後の展開は


 ――これまでの支援の中で印象的だったエピソードがあれば教えて下さい

 「毎回がドラマの連続です。自国で正しい視力の診断や眼鏡がないために、重度の視力障害と考えられていたお子さんが、検査と眼鏡で視力を回復。将来を深く案じていたご両親が大変喜ばれて、心からの感謝のメールをいただいたこともあります」

 ――メガネの寄贈以外にも支援は

 「近年、世界の難民・国内避難民の数は急増し過去最高となっています。物資・人材両方の面で負担が増大していることを受け、財政面での支援も行っており、2013年から10年間かけて総額100万ドルの寄付をしています。また、全店・事務所に募金箱を設置して集まった寄付金を国連UNHCR協会へ送金しています。2015年は74万5919円で、累計で518万1388円になりました」

 ――今後の展開について教えて下さい

 「今後もオプトメトリーという専門分野と、社業である眼鏡専門店としての特性、企業としての機動性を活かし、視力の改善を通じて人々の経済的自立を支援し、子どもたちが教育を受けて将来に展望を抱けるよう貢献していきたいと思います」

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出典:朝日新聞
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